第82話 奇妙な地下世界2



 用はダンジョン地下2階を進んでいた。

 「また赤いレンガのロフトか、あれ?何か落ちてる。」

 金貨?だった。

 なぜ金貨?しかも大陸共通金貨でもない、どこかの国の金貨だった。

 よくわからないまま、進んで行く。

 相変わらず、襲ってくるのはダンゴムシモドキとスッポンモドキだった。

 そして、岩山?いや違う。岩でゴツゴツした上り坂だ。

 痛いけど、登って行く。


 ゆっくり登って良かった。

 頂上の下は絶壁の谷?であった。

 そして、妙にこった作りの門が谷底にあった。

 ハード過ぎる。

 まるで、アスレチック施設を思い出す様なダンジョンだ。


 AI

「アスレチック施設に、似てるのですか?確かに、おかしなダンジョンだとは思いますかが。」


 地下3階に降りる。

 なにもない?あれ?行き止り?

 と思ったら、床が落ちた!


 「やべー」


AI

「用様!スライムクッションです!~」


 スライムクッション? 

 そうだ! 屋敷に使う(人を、寝たきりにするクッション)を再現するために買ったんだ!

 スライムクッションを出す。


 ポヨン!


 あっぶね~!助かった。


 「AIさん、ナイス!」

AI

「用様、ダンゴムシモドキがきました!」


 ジャンプして飛び越えて、レンガのロフトの上に乗る。

 また通路タイプだが、今度は空ではなくレンガの天井らしい。

 剣山みたいに、下から突き出る岩山や時々無造作に置かれている壺など、違和感がハンパない。

 しかし、ここに来て無視出来ないおかしさが現れた。


 金貨がまた等間隔に落ちていたのだが、5枚拾った内の3枚が、見たことがある金貨だった。


 メイプルリーフ金貨(カナダ)


 昭和60年記念10万円金貨(日本)


 スペインの金貨(おそらくEU加盟前のもの)

 よく見るとマルクとか、ペソとか読めるものがこれまで拾った金貨に刻印されていた。


AI

「これは~いったい、どういう事でしょう?」


 「(?)のやつ、まさか地球をまたにかける怪盗とかやってたのか?」


AI

「えー! 

 まさか、いや…確かにおかしいですよね。天界に報告しますね。」


 「なぜ、金貨発行国がバラバラなんだ?」


AI

「用様の世界は、金貨はどれ位の種類があるのですか?」


「ほとんどないと思う。

 日本でも、記念硬貨ぐらいしか金貨はない。

 他の国もほぼ同じだと思う。

 これだけあるとしたら、銀行位だからな~」


AI

「あ~それで、(?)が怪盗やっているのか?って疑問になったのですね。」 


 

 まだまだ謎が残るダンジョンであった。

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