第10話 僕が僕でいるために

「ここに居候させてもらうので、住み込み家政婦として、

 料理・洗濯・掃除は全て任せて欲しい」

「僕のする事なくなるよ。

 本当の家政婦みたいに全部する必要はないと思うけど・・・」

「いいの。

 居候させてもらうんだから」

「それならお願いします。

 買い物とかは言ってね。

 必要なものは全て買うから」

「はい」


いびつな同居生活が始まった。

正直、めっちゃ楽。

けど、これではだめだ。

僕がダメになる。


この分担は、星山さんの負担が大きすぎる。

まだ、高校生だよ。


別に僕は家政婦が欲しいわけじゃない。



それほど、日々かかるお金が増える訳でもない。

1週間の家計簿を計算する。

・・・むしろ、減っている・・・。


あれ?・・・外食が減ってるからか。

だいぶ安い。


いろいろ一緒にやる事にした。

星山さんの負担が減った分で勉強を教えてもらった。


教え方も上手。

正直、助かる。


今まで以上に雑談をするようになった。

そして星山さんが一緒にいる事が当たり前になりつつあった。


そして2週間が経過した。

この生活は楽しい。

けど、きちんとしないと・・・。


「星山さん。

 このままだとダメだと思う」

「私の事、嫌いですか?

 私、いりませんか?」

すっごく不安顔。


「そっ、そういう意味じゃないんだ。

 恋愛経験があまりないからわかんない部分もあるけど、嫌いじゃないよ。

 むしろ、たぶん、好きだと思う。

 何より一緒にいたいと思ってる」


「もしかして、お金の問題ですか?

 私がいるの事によって・・・」

「それも違う」


「じゃあ、なぜ?」

「このままは、ダメだと思うんだ。

 一度、星山さんのご両親とお話したい」

「親と・・・。

 何を話すの?」

「星山さんとの同棲を認めてもらう」

「私との同棲を・・・?

 一般的に難しいのでは・・・」

「けど、このままは、もっと駄目だと思う。

 日本の法律では、未成年は弱い。

 どんな嫌な親でも未成年ではなんともできない事も多いんだ」


しばらく、無言の時が・・・。


「わかったわ。

 一度、話し合いの場を作る。

 けど・・・、真田君に何もメリットなんてないよ。

 何で私の為にそこまでするの?」

「僕が僕でいるために・・・。

 だって、それが良いと思うから・・・」



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この作品は、2022年4月以前の作品であり、成年の定義は20歳になります。


真田信繁

高校3年生

趣味は本とアニメ、ドライブ。典型的な陰キャ

高校2年生の夏、事故で両親を亡くす

祖母以外に親族はいない

親の職業柄、お金の管理能力は超高校級

親が亡くなった時に買ったロト7で人生が変わる

高校生ながら、家を買う

幼馴染の田中めぐみに告白してつきあい始めるが、奥手・・・

半同棲をするも、浮気され、子供ができて別れる

めぐみプロデュースのイメチェンでかっこよくなるが、別れて元の姿に・・・

高校3年生になってすぐに免許を取り車を買う

家出した星山さんを家に招待し、同棲を始める


預金残高:11億1千万円(1,000万円未満は切り捨て)

愛車:K-OPEN(軽自動車のスポーツカー)



星山星華

高校3年生

今年から転校してきてクラスメイト、人気ランキング2位の美人

陽キャグループに属し、学校では多くの人と話しているが

お友達はいないらしく、親と喧嘩して家出し、

真田君の家に泊めてもらい同棲を始める

料理が上手



田中めぐみ

元同級生

信繁の幼馴染

勉強も学年でも1桁の優等生

運動神経は悪いが、学校の人気投票で1位で容姿でかわいい

ボン・キュ・ボンでスタイルも良い

陽キャでよく告白もされるという噂だが、彼氏はいなかった

信繁の事がずっと好きだったらしい

今回、めでたく彼カノの関係に・・・そして半同棲を・・・

晴彦と浮気をしてしまい、子供ができて信繁と別れ、退学する



清田晴彦

元同級生

高校2年生ながらプロ注目の野球部のエース

かなりチャラい

めぐみのセックス相手

この件でめぐみの父と殴り合いになり噂に・・・

学校を退学する


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