9日目
突然ですがみなさん、幽霊って存在すると思いますか?
妖怪とかではなくて、半透明で、夜にしか現れなくて、死んだ人がなると言われている奴です。
僕はいるとは思えません。理由は単純で、会ったことがないからです。これだけテレビでやっているので、もしかしたらどこかにいるのかも知れません。でも会ったことのない、科学的根拠がないものを信じることって、なかなか難しいです。
それをいえば天国とか地獄とか、前世とか来世とか、天使とか神とかも信じられないです。他にも色々とかとかとか、ときりがありません。この世は確証のないものばかりです。
「神は死んだ」とニーチェは言いましたが、もし科学が生まれず神が殺されなかったら、僕は幽霊を信じていたでしょうか。きっと、信じたと思います。そして天国も地獄も、前世も来世も、天使も神も信じていたと思います。生きる意味は神にあり、僕は天国に行けると信じて、だから死ぬ怖さは少ししかなくて、穏やかに余命を全うしたと思います。
科学が少しだけ憎いです。僕を今生かしているのも科学ですが、僕を絶望させているのもその科学です。
僕は今、夜の病室で、幽霊が現れるのを待ってます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます