2日目

 今日はずっと寝ていました。

 こう書くと、寝るのが好きな奴だと思われるかもしれませんが、そうではないんです。僕は寝るのが苦手なんです。苦痛ではないんですが、寝ることに集中できなくて、ぐっすりと睡眠できません。だから長時間寝て、起きた今でも、まだ少し眠いです。昔はこんなことなかったのに。

 僕が思うに、雑念をコントロールできないから、深い眠りにつけないんだと思います。心がうるさい。目を瞑っても、どうでもいいことを考えて、寝付けない。やっと眠れたと思っても、そこは夢の中で、意識がある。ここが夢だってことに、気づいてる。早く寝たいのに夢の中で起きているんです。そういうとき、僕は階段から飛び降りたり、息を止めたりして、現実に戻ってきます。

 そういう行為ってなんだか変な感じがします。現実に戻るために身体をびっくりさせる、っていう理論は分かります。でも夢の中の自分も自分であることには変わりないんです。それなのに夢の中の僕は簡単に、階段から飛び降ります。現実では、絶対できないのに、です。

 もしかしたら、と最近になって思います。もしかしたら、夢を終わらせるには、その人生を終わらせる必要があるんじゃないでしょうか。階段から飛び降りたり、息を止めたり。現実ではその程度で、もちろん死にません。でも夢の中の自分は脆いからすぐに死ぬんです。そしてやっと、現実が戻ってくる。オカルティックな話ですけど。そういう妄想をときどきします。

 そして今の僕も夢の中かもしれないと考えます。そうだといいです。そしたら死んだとき、みんなと同じように、生きられる人生が始まるかもしれません。

 

 

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