第42話 海行きたくない?
「そろそろさ、海行きたくないか?」
角のとがったデビルの少女が言った。
「泳げねーのによく言うぜ! ギャハハハ!」
耳のとがったエルフの少女が言った。
港町の喫茶店に二人の姿はあった。
「何キャラ? それ。めっちゃ蛮族の大将みたいな感じだけど」
「ゴホッ! ゲヘッ! ……やべ喉が」
「慣れないキャラチェンするからだ。ほら、水飲めよ」
「ギャハハハ! 俺様にしてみれば、こんな酒は水同然だぜ!」
「いや、水だからね。普通に酒じゃないから。てか、引きずるなぁその設定。合わせるの死ぬほどめんどくさいんだけど」
「じゃあやめるわ。で、何のみも蓋もないトークだっけ」
「わざわざそうやって言わんでいいだろ。海だよ、行きたくないか」
「いや、先週行ったんで」
「ニアミス! もう行っちゃったの? 一声かけてくれよ」
「まあ、食事所のバイトだけど」
「ああ、そういうこと。じゃあ、今度はプライベートで行こうぜ、アタシと」
「いや、あんたとはビジネスライクな関係だから」
「うぉい! 一番傷付くやつ! ビジネス関係ないけど!」
「傷付けば傷付くほどに、濃密な関係になっていくのよ……ウフフ」
「またキャラ変わったよ! いかにもヤバそうなやつに……いや、それは元からか」
「おい」
二人は喫茶店をあとにした。
エルフとデビルがダベるだけ ジョン @jon5
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。エルフとデビルがダベるだけの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます