4.革命の気運 その③:容疑者

 警察の人たちが部屋を去ってから私は一人であれこれ考えてみたが、やはりクラウディア教官は犯人ではないと思う。


 一見、教官の毛髪が私の部屋で見つかり、なおかつ犯行時間帯に目撃証言もあるとなると、疑ってしまうのも無理はない。だが、考えてもみると、もし犯人がクラウディア教官なら部屋をこんなにも荒らす必要はないのだ。


 教官は、指輪の入った小箱の所在がタンスの二重底の裏だと知っていた。捜査撹乱の線も、ここまで徹底的に散らかされると薄い。なぜなら、あまり時間をかけ過ぎたり、派手な音を立てたりすれば、却って犯行が露呈するリスクが高まるからだ。


 それより、私にはタイミング的に王党派の方が怪しく見えてしまう。


 なにせ、私が教室に呼び出されている間の犯行だ。目撃証言というのも、ヘレナの腰巾着のマチルダによるものである。


 アーシムさんも言っていた通り、私の活躍から勧誘までのスパンが無に等しいのも引っかかる。手の早さの理由としては、ヘレナは『先行投資』とか言っていたが……それも、どこまで本気か分からない。


 しかし実際のところ、クラウディア教官は何か知っているのかもしれない。


 教官の毛髪が、どのようにして私の部屋に行き着いたのか。魔力痕は割とすぐに霧散してしまうので、持ち込まれたのはごく最近ということになる。そして、クラウディア教官は『サバイバル実習』に帯同していたので、そのタイミングは私が学院に戻ってから自室へ向かうまでの僅かな間しか考えられない。


 さっき自問自答した通り、私が持ち込んだものではない筈だ。今着ている制服は、『サバイバル実習』の初日にルゥが予備として受け取ったもので、着替えたのは馬車に乗る直前、クラウディア教官の毛髪が紛れ込む余地はない。


 となると、犯人の衣服に付着していたか、それとも犯人が捜査撹乱の目的で残したか、いずれにしろ何らかの形でクラウディア教官がこの盗難事件や犯人に関わっている可能性は高いし、教官を優先して当たる警察の動きも丸切り無駄にはならないだろう。


「よいしょ……っと!」


 かけ声と共に倒された家具を立て直すと、上部に積もっていた埃が落ちて舞い上がった。それを見て、ちょうど換気のために開けておいた部屋の入口にやってきたロクサーヌが、口元にハンカチを当てつつ端正な眉根を歪める。


「これは……こっぴどくやられましたわね」

「うん。一人じゃ日が暮れちゃうわ。午前中は空いてるんでしょ? 手伝ってくれない?」


 現場の捜査と事情聴取が一段落して警察が引き上げていったので、部屋の片付けをしようと思ったが、流石に一人では荷が重い。そこで、私はロクサーヌを頼った。


「そういうことなら、分かりましたわ。手を貸して差し上げましょう!」


 予想通りの快諾。こういう時、【身体強化】の得意なロクサーヌは頼もしい。


 ロクサーヌの他にもニナとルゥにも手伝ってくれないかと声をかけたが、残念ながら二人とも先約があるらしい。折節実習エクストラ・クルリクルムの後は予備日が休日になるので、早めに終わった時のことを見越して予定を入れているのは仕方ないことだ。ロクサーヌも午後からは予定があるみたいだし。


 ともあれ、非常に助かった。


「よう、ロクサーヌ。『サバイバル実習』じゃあ、結局一回も会わなかったな!」

「おはようございます、マネさん。確かに戦えなかったのは残念でしたわね。内容が発表された時は雪辱を果たす良い機会だと思いましたのに……」

「というかロクサーヌ、開始前にあんだけ大見得きっときながら二組ドゥーエは最下位じゃない。活躍はできた訳?」

「うっ……頭を使う系はニガテでして……で、ですが、戦闘面では活躍したんですのよ?」


 ロクサーヌが言い訳じみたことを言うのを、私は「ふーん」と適当に流しておいた。


 実のところ私はちょっとだけロクサーヌの活躍を知っている。四日目の三回戦にて、二組ドゥーエの所持『拠点』へ攻め入ったマチルダをぶっ飛ばして返り討ちにしたそうで、『クラス拠点』に戻ってきたマチルダは涙目で頬を赤く腫らしていた。その頬はマチルダ自身の治癒魔法ですぐに治ったが、その無様な負け姿を見て溜飲が下がったのは確かなので口には出さずともロクサーヌには感謝していた。


 それからも他愛のない雑談をしながら部屋の片付けを続けていると、突然ロクサーヌが声を潜める。


「少し、真面目な話をしても良いですこと?」

「ええ、良いけど……突然ねぇ」


 戸惑う私を気にも留めず、ロクサーヌは真剣な顔つきで続ける。


「わたくし、個人的には王党派ではなく、諸侯派に付くことをオススメいたしますわ」


 思いがけぬ話題が飛び出してきてドキッとした。一体、どこでその話を聞きつけたのか。私はまだアーシムさんにしかその話をしていない。それも今さっきのことだ。


 私の動揺を察してか、ロクサーヌが訳を話してくれる。


「今朝、とあるクラスメイトの方から聞きましたの。既に学院中の噂になっていますわ。なんでも、ヘレナさんご自身が『リンの王党派入りは確実』と随分と喧伝して回っているようですわよ」

「は、はあ? なんでヘレナがそんなこと……!」

「恐らく、諸侯派への牽制でしょう」


 ロクサーヌは片付けを続けながら、自身の分析を詳しく語り出す。


「グィネヴィアさんは、その並外れた実力によって諸侯派の中でも大きな存在感を放っています。その彼女が倒されたことは諸侯派にとって相当の衝撃の筈。それが果たして偶然の巡り合わせが功を奏したまぐれフロックなのか、純粋な実力によるものなのか……諸侯派としては、昨日の今日では判断を下しにくいところでしょう。貴方の実技成績は、お世辞にも良いものではありませんでしたから。つまり、貴方を引き込むかどうかという話をする以前の段階なのです。しかし、その間に王党派は先んじて動いたぞ、と」


 本当にヘレナは動きが早い。ロクサーヌも言ったが昨日の今日だぞ? ヘレナだって、折節実習エクストラ・クルリクルムでずっと頑張っていたのを見ている。私と同じように……いや、それ以上に疲れている筈なのに、なんてバイタリティだ。私は勝手なことをされた怒りより、呆れと一種の感心さえ覚えた。


「なんでい、あの野郎。リンの話じゃあ派閥争いをディスってたんだろ? だのに、自分はやることキチッとやってやがんじゃねえか。食えねえ野郎だなぁ」


 マネの言う通り言行不一致も甚だしい。あれだけ派閥やら貴族やらの悪口を言っておきながら、しれっと抜け目なく外堀を埋める手を打っているなんて。


 あの時の言葉は単なる自己嫌悪だったのか? それとも、ヘレナはその嫌悪すら己のうちに飲み込み、目的のためには手段を選ばない人間ということなのか。


 私はヘレナの狂気じみた瞳を思い出し、その底知れなさにゾッとした。


「……ねえ、ロクサーヌ。諸侯派に付いた方が良い理由を聞かせてくれない?」

「分かりましたわ」


 ロクサーヌは一度片付けの手を止めて、ゆっくりと言葉を紡ぎ出す。


「それはここ最近、諸侯派が優勢だからですわ。近年、王都の経済は下降気味であるのに対し、地方の経済は上昇傾向。数年前には地方の合算税収が王都の税収を上回りましたわ。その結果として、諸侯派の影響力も増したのです」


 リンさんの田舎はエドム地方でしたわね? というロクサーヌの問いに私は頷く。


「エドム地方は大移動による移住者も少なく、未だ古くから続く豪族の影響が強い土地。派閥争いの余波で家族に何かあってからでは遅いですわ。もちろん、諸侯派優勢の昨今にそこまで強硬な手段に出る必要性が生じるほど、諸侯派が追い詰められるとも考えにくいのですが……切羽詰れば、なんでもするのが人間ですわ。その点、王党派の勢力圏は王都近郊に限られ、諸侯派の影響が強い遠方までは早々干渉できません。諸侯派に付き、地元の勇士にでも繋がりを作っておけば、家族は一生安泰でしょう」


 私は片付けの手を止めて唸ってしまった。家族を持ち出されると私も弱い。


 今、ママは女手一つで妹たちを養っているのだ。村の皆やそこそこ裕福な親戚連中も助けてくれるだろうが、それにだって限界がある。


 諸侯派に付けば援助も望めるかもしれない。もっとも、それは私の活躍や交渉次第になるだろうが。


 確かに、私の出身地のことも考えると、ロクサーヌの助言に従い諸侯派に付く方がメリットが多い気もする。しかしそれも諸侯派からのお誘いがあるならの話だが。


「ありがとう、ロクサーヌ。参考にさせてもらうわ。で、これだけは聞いときたいんだけど、貴方はどっちの立場から言っているのよ」


 王党派か、諸侯派か。


 昨日、ヘレナは「ロクサーヌはどちらの粉もついていない」と言っていたが、やはり本人の口から確認しておきたかった。直接に聞けば、ロクサーヌは誤魔化したり嘘をついたりなんかしないだろうから。


「わたくしは――」


 前のめりになって、ロクサーヌの答えを待つ。


「わたくしは、どちらの派閥からも距離を置いています。ですが、引退後の父が王都で商いを始めた以上、いつかは王党派と近づかざるを得なくなるやもしれません。その時はその時と、今は割り切って気楽に考えていますわ」

「そう……それを聞いて安心したわ。現状、どちらに付いてもアンタとはいがみ合わずに済みそうで」

「まあ、そんなことを心配なさっていたの?」


 ロクサーヌにくすくすと笑われてしまった。マネにも、からかうように触手で背中を叩かれる。気恥ずかしさで顔がちょっと熱っぽくなってきたのを感じた私は、必死に顔を背けて片付けに集中した。


 そんなこんなで、ものの一時間もすると部屋はあらかた片付いてきた。やはり、ロクサーヌの助力は大きかった。重い家具も楽々動かしてくれたし。


 まだまだ散らかっては居るが、ここらで一息いれようというタイミングで、ロクサーヌがパンと手を叩いた。


「――そうですわ!」

「なによ」

「リンさん、昼食はどうなさいますの?」

「昼食? 特に決まってないわね」


 色々あった所為でまだ『サバイバル実習』の疲れが抜けきっていないので自炊はしんどい。休日は食堂も閉まっているので、外へ食べに行こうかなと何となく考えていた程度だ。


「でしたら、覚えていらっしゃいますか? あの時の

「あ~」


 ロクサーヌの言う「あの時のお礼」とは、誘拐事件を解決した時のことだろう。正直、言われるまで忘れていた。色々あった所為で。


「わたくし、今日はとあるレストランで友人たちと昼食をとる予定なのですが、実は急遽一人分の予約が空いてしまって、もったいなく思っていたところですの。よろしければ、ご一緒しませんこと?」

「いーけど、金ないわよ、私」

「奢る、と言った筈ですわ!」

「タダ飯か~」


 ロクサーヌはともかく、その取り巻きは嫌みな感じで張っ倒したくなるが、やはりタダ飯の魅力には抗いがたい。ここは有り難くご相伴にあずかろう。


「よし、その話乗ったわ!」

「では、早速行きましょう!」


 私たちは片付けをそこそこに打ち切り、馬車に乗って学院外のレストランに向かった。


 それから街道をゆっくりと走行すること十数分。行こうと思ったこともないような高級感溢れる店構えのレストラン前で降りると、そこには既に取り巻き連中が四人も待ち受けていた。


「あら、ロクサーヌ様。リンさんを連れてきましたの? いやですわ、一緒にいて噂されませんかしら」

「は? 叩き殺すわよ、コーネリア!」


 取り巻き筆頭、王党派クソ貴族のコーネリアが私を見て大袈裟に驚き、大袈裟に目を細める。こいつは取り巻きの中で最も嫌みな奴で、これまでにも衝突した覚えしかない。王党派貴族の出自だが、昔から王党派の連中とは距離を置きロクサーヌなんかとツルんでる変わり者だ。


(全く! 同い年だってのに、どうしてそんなに仕草から表情からババ臭いのかしら!)


 心中で悪態を吐きながら、いけ好かないコーネリアと睨み合っていると、隣でロクサーヌに思い切りため息をつかれた。


「はぁ……リンさん、ネルさん? お二人とも、はしたない口を利きませんの。仲がいいのは結構ですけれど、ここが店先ということをお忘れではなくて?」

「仲良くない!」「仲良くありませんわ!」

「息ピッタリじゃねーか、お前ら。けけけ」


 こんなやつとハモるなんてサイアク。八つ当たり気味に、公衆の面前で許可なく顔を覗かせた上、余計な口出しをしてきたマネの触手をはたき落とす。


 ともかく、いつまでも店先を占領しているのはよくないと足早に入店した私たちは、出迎えてくれた感じの良い店員に案内され、通りの上に飛び出た二階ベランダ席に座った。階一つ違うだけで随分と見晴らしも変わり、暑苦しいばかりの雑踏も風流に映った。


「今日はネルさんの、つまり王党派の縁で招待されたんですのよ。このレストランは開店したばかりだから、気に入ったら宣伝して欲しいとのことですわ。魔女見習いは、裕福な商人や貴族の方と知り合う機会も多いですから、ここのターゲット層にピッタリなのです」

「聞いたかしら、リン? 貴方がタダ飯を食えるのは私のおかげなのよ、私の! 感謝なさい!」

「はいはい、どーも! ありがとうございました!」


 程なくして、前菜オードブルが運ばれてくる。コース料理なんて久しぶりだ。


 この店は、大移動の旗手であり建国の英雄、初代イリュリア王の故国アルゲニア王国の料理を提供している。実はアルゲニア料理はそんなに好きじゃなかったのだが、久しぶりに食べてみたら意外に結構いけた。食わず嫌いだったのだろうか、それとも味覚が変化したのか?


 コーネリアに馬鹿にされないように、がっつき過ぎずバカ丁寧なまでに作法に則り黙々と食べ進めていると、急にロクサーヌが話を振ってくる。


「リンさんはどう思います?」

「え、なに? ちょっと聞いてなかったわ」

「……今日、本来その席に座る筈だったサミーさんのことですわ」


 サミー……ああ、一組ウナのサマンサ? 確かロクサーヌの取り巻きの一人で、派閥から縁遠い中立的な立ち位置の子……だったっけ? いくら思い出そうとしても一向に文末から疑問符が取れない。


 ようやくぼやっとサマンサのものらしき顔が浮かんでくる。が、どうにも印象の薄い顔である。いつも近くに濃いコーネリアが居るから、完全にそっちに存在感が食われてしまっていた。


「ちゃんと聞いときなさいよ。貴方にも関係ある話なんだから!」


 コーネリアがまあまあ正当な怒りを表明すると、「そうよそうよ」と他の取り巻きも乗っかって囃し立ててくる。これは向こうに理があるので言い返そうにも分が悪い。しかし、私が何か言うまでもなく、話が進まないからとロクサーヌが制すれば皆すぐに黙った。よく躾けられてる。


「で、そのサミーちゃんがどうしたのよ。私にも関係ある話ってどういうこと?」

「まだ、関係あるという段階ですわ」


 そう前置きし、ロクサーヌは続ける。


「実は、サミーさんは『サバイバル実習』の前から様子がおかしかったのです。出発時、一組ウナの馬車だけ出発が遅れたのも彼女の体調不良が原因ですのよ?」

「あー、あれね。そうだったんだ」

「学院に戻ってからも、学生寮ドルミトーリウムへは向かわず何処かへ寄り道していたそうです。わたくしの一組ウナの友人が『何処に行っていたのか?』と軽く聞いてみたそうなのですが、その時は『二組ドゥーエの友人との約束があった』と言われ、詳しいところははぐらかされたそうです。そして今日、前々から予約していたこの昼食の席も、『用事ができて行けなくなった』と今朝ドタキャンされまして、これは何かあるんじゃないかと話し合っていたのです」


 サマンサが友人と約束していたというのは別におかしなことでもないが、今朝に急に用事ができてドタキャンというのは不可解だ。私たちは折節実習エクストラ・クルリクルムから帰ってきたばかりなのに、前々からしていた昼食の約束を断ってまで行くような用事ができるものだろうか。できるとして、それは一体どんな用事だ?


「友人を疑うのは非常に心苦しいのですが……もしかするとリンさんから指輪を盗んだのは彼女かもしれませんわ。それほどまでに、折節実習エクストラ・クルリクルム中のサミーさんは追い詰められているように見えましたから」

「確かに行動を追ってみるとおもくそ怪しいわね」


 ロクサーヌも疑うほどか。


 これまで私の中での最有力容疑者は王党派だった。アーシムさんも言うように勧誘が早すぎるところから、『勧誘自体が嘘なのではないか』と考え、それが王党派を疑う根拠になっていた。


 しかし、そうすると残る動機は『指輪目的』しか思いつかない。まさか、換金したい訳ではないだろう。私に取って二百万リーブラは大金だが、王党派の、ましてや中核に位置する有力貴族となればそうでもない額の筈だ。それに王党派周りで特別金銭に不自由しているとかの噂も聞かない。


 そして、ロクサーヌから馬車の話を聞いて思い至ったことだが、そもそも他クラスの生徒ならば私を教室なんかに呼び出すまでもなく盗みに入ることができた。


 行きの馬車は諸事情――ロクサーヌ曰くサマンサの体調不良――で一組ウナだけ出発が遅れたが、帰りは問題なく一組ウナ二組ドゥーエ三組トレースの順で発車している。その間隔は十分から十五分程度。つまり、私より先に学院へ到着していた一組ウナ二組ドゥーエの生徒ならば充分に犯行時間を確保できるのだ。また、折節実習エクストラ・クルリクルムの直後だから、疲れている私がそう急ぐことなく歩いて学生寮ドルミトーリウムへ向かうだろうことも充分に見込める。


(うーん、じゃあ本当にサマンサが犯人なのかしら……?)


 取り敢えずその方向で思考してみて、浮かんできたいくつかの質問をロクサーヌにぶつける。


「私の部屋は荒らされていたけど、彼女は小箱の所在を知っていたの?」

「いえ、警察の方にも同じことを聞かれましたが……たぶん、知らなかったと思いますわ。小箱の存在自体は知っていたかもしれません。と言いますのも、最近サミーさんはわたくしたちとは行動を共にしていませんでしたから」

「なによ、なんか愛想でもつかされるようなことでもあったの?」

「――男よ。動機もきっとそれなのよ!」


 横合いからいきなり会話に入り込んできたコーネリアがそう断言した。別にコーネリアには聞いてないのだが。


 しかし、興味深い言葉だ。女社会のクレプスクルムには縁遠い『恋』の匂いがするじゃないか。


「男、ねえ……面白そうじゃない。ちょっと聞かせてみなさいよ」


 私は少し机に身を乗り出して、コーネリアの話に耳を傾けた。

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