140ssログ
西田素兎子 (にしだ もとこ)
傘
傘はない。降水確率は40%だった。それなのに、ざあざあとまで台風のような光景が目の前に広がっている。「大沢傘忘れたんか」と佐々木が言う。「一緒に帰るか?」薄汚れたビニール傘を広げた佐々木を横に走り出す。「風邪ひいても知らんぞ!」うるせえ、俺の勝手だろ!と言い返そうとして、やめた。
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