第14話 彼女と俺の下校事情
「えっち」
「なっ!? か、からかわないでくれよ」
「顔赤いよ? 何? 照れてるの?」
「うるさいな……」
「うふふ、やっぱり石嶋君も男なんだね」
「健全だろ、興味が無い方が問題だと思うが?」
「まぁそうだけどね、私と付き合ったら見放題かもよ?」
「そんな下心で付き合ったってお互い悲しいだけだろ?」
「ふーん、あくまでそう言うのは好き同士でするべきってこと?」
「まぁ……」
「じゃぁ、私の事を好きになったら私のパンツ見たいとか思うの?」
「いや、それは……まぁ……そうだろうな」
てかなんでこんな話になってるの?
暑い暑くないの話からなんでパンツ見る見ないの話に?
いや、メチャクチャ正直に言うと見たいけどさ……でもそんなの素直に言えるわけないじゃん。
好き嫌いに関わらず、女子からは好感を持たれたい。
これは男子の心理だと思う。
「ふーん、じゃぁ付き合ったら見るの?」
「いや、もう良いだろこの話!」
「だって大事な事だよ? 女子には色々準備があるし」
何の準備だよと突っ込みたかったがまた長くなりそうなので俺はそれ以上何も言わなかった。
笑顔で話すの彼女を俺はいつも遠くから見ていた。
でもそんな彼女の笑顔が今日は近くにあって、その笑顔が俺に向けられていると思うとやっぱりドキドキした。
やっぱり可愛いと再認識してしまう。
そんな事を考えている間に駅前に到着する。
俺はこのまま帰ろうと思っていたのだが、彼女はそうでは無いらしい。
「ねぇねぇ、どこか寄って行こうよ!」
「え? どっかって?」
「どこかはどこかよ! もう少し付き合って」
「あ、ちょっ! ちょっと!!」
俺は彼女に手を引かれて駅前のファーストフード店にやって来た。
学校帰りの俺達のような生徒がたくさんおり、勉強したり友達と話をしたりしている。
堅山さんが店内に入って来ただけで男性陣がチラチラとこちらを見る。
まぁ、気持ちは分かる。
可愛い子がやってきたら俺だって見てしまう。
しかし堅山さんはそんな視線にも馴れているようで気にすることなくレジに向かう。
「ご、ご注文はいかがいたしますか?」
「んーと……じゃぁ私はシェイクのバニラを一つ」
「かしこまりました! ご一緒にポテトはいかがですか?」
「大丈夫です。石嶋君は?」
「あぁ、じゃぁ俺はウーロン茶を……」
「っち……ご一緒にポテトはいかがっすか?」
おいなんだこの店員!
さっきの堅山の対応と俺の対応違い過ぎないか!?
しかもなんかちょっと俺のこと睨んでるし。
「おまたせいたしました」
「ありがとうございまーす。行こ」
「あ、あぁ……」
飲み物を受け取り俺と堅山は適当の席に座った。
どうやら堅山さんの隣にいる見るからに不釣り合いな顔面の俺は男性陣にとっては嫉妬との対象のようだ。
なんか皆俺の事睨んでるし……。
「はぁ~生き返る~」
「俺はなんか生きた心地がしないよ……」
周囲の視線が怖すぎて……。
「何分けわからないこと言ってるの?」
「え? あぁまぁ気にしないでくれ」
いったところで何も変わらないし。
これが美少女と一緒にいるラブコメ主人公の心境か……なんか優越感もあるけど恐怖もある複雑な気分だな……。
「ねぇ、これからは帰れるときだけで良いから私と帰ろうよ」
「え? な、なんで?」
「なんでって、石嶋君に私を好きになって貰わなくちゃだから出来るだけ一緒に居たいのよ」
「そんな当然でしょ? みたいな感じで言われても……」
「私と一緒に帰るのいや?」
「いや、嫌ではないけど……いつも井岡と帰ってるし、それに堅山さんだっていつも帰ってるメンバーと帰らなくて良いの?」
「別に大丈夫だけど? なんで?」
「いやそれは……」
確実に吉田が納得しなさそうだからだよ!
だってあいつスッゲー睨んで来るし!!
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