吾輩は神である。

いぬまる

第1創造 序

 吾輩は神である。名前は特にない。


 いつから吾輩が存在していたのかはトンと見当がつかない。気が付いたら吾輩は存在し、そこいらの無を彷徨っていた。そうして無を彷徨っていると、突然何かがあることに気が付いた。解っている今言うが、あれは宇宙と呼ばれるものであった。吾輩は其処で初めて、他の『神』と呼ばれる吾輩と同存在に出会った。


 吾輩はその出会った同存在と触れ合い、思念の伝達を取った。すると彼の者は吾輩へ反応を返してくれた。吾輩は彼の者から色々な事を教わった。


 例えば、彼の者が認識した同存在、・・・『神』であるが、吾輩の他には4存在程しか確認したことはないという。吾輩と彼の者を合わせると、6存在しか認識したことはないということである。彼の者は、他にも吾輩の様に未だ無を彷徨っている存在がいるかもしれない、そう言っていたのである。


 他には彼の存在から、『神』同士が使っている思念の伝達方法や、この宇宙というものを教わった。


 吾輩は其処で驚いた。この宇宙という無でないもの、其が創れるというのだ。


 吾輩は彼の者に此の宇宙というものを案内してもらった。其処でも吾輩は再び驚いた。


 その当時は解らなかったが、それは「感動」だったのだろう。


 無ではなく有。宇宙が存在し、星が存在し、生物が存在する。吾輩は唯々感動した。


 そんな吾輩は彼の者に教えを請い、宇宙の創り方を教わった。


 吾輩は永き間、彼の者に宇宙の創り方を教わり、理解した。そうして宇宙の創り方を理解したところで、彼の者から教わることが無くなり、吾輩は彼の者の宇宙から無へと去った。


 無へと移った吾輩は、早速宇宙を創ることにした。そうして吾輩はその時より、数多の宇宙を創り出した。


 吾輩は宇宙を創り、星を創り、そしてその星に住まう生物を創る、そんな事を楽しみにした。所謂趣味というやつであるな。そうして吾輩は永き時を過ごした。


 そうして永き時が経った。・・・そうであるな、一つの宇宙が始まり、そして終わりを迎える、そのサイクルを10回ほど繰り返した程の時である。


 その時にはその趣味を吾輩は止めていた。


 吾輩はそれらを創ることをせず、知己の神の創った宇宙を覗き見る事を楽しみとしていた。


 はて・・・そういえば何故それらを創ることをやめたのだったか?まぁそんなことは些事であるな。


 そんな吾輩の最近は、知己の神の創った宇宙の中の星、そう「地球」と呼ばれている星、かの星をよく見ているのである。するとどうだ、奇怪な事に異世界転生とやらが頻繁に行われているではないか。


 吾輩は知己の神である「地球」を創った神、それに異世界転生をさせている宇宙の神に話を聞くことにしたのである。


 そうして話を聞くと、どうも最近はその異世界転生がブームになっているというではないか。


 吾輩は最近とみに暇であった。今は吾輩が創った宇宙なども全て無に還っており、星を、生物を管理することもしていなかった。故に唯々知己の神の創った星を眺めて暇を潰していたのである。


 吾輩は嘗ての趣味、宇宙や星、生物の創造の事を思い出した。


 吾輩は思った。嘗ての趣味を再開して、今ブームだという異世界転生に乗っかってみようと。


 暇も潰れる事であるし、何より知己である「地球」や「転生先」の神々、彼らともっと交流する為の接点になるのではないか?そう吾輩は思ったのである。


 実は吾輩、「地球」や「転生先」の神々と確かに知己ではある、しかし、大分存在年数に開きがある。「地球」風に表すならジェネレーションギャップというやつである。なのでこのブームに吾輩も乗っかり、彼らともっと交流して良き仲になれるのではないか?そう思ったのである。


 吾輩は、早速「地球」や「転生先」の神々に申し出た。吾輩もそのブームに乗って良いかと。すると彼らは快く承諾してくれたのである。もしかすると彼らも吾輩と交流したがっていたのかもしれないのである。


 しかしコレ、後々気づいた事なのであるが、彼ら比較的若い神々は、知己ではあるが相当に古い神の吾輩の扱いに少し困っていたらしいのである。というのも、吾輩は前述した通り今は宇宙を管理しておらず、適当に彷徨いながら星を覗き見しているのである。古い神である吾輩が宇宙も管理せず、フラフラと若い神達の所へ行ってその星をジロジロと見ているのが居心地悪かったみたいなのである。かといって相当に古い神の吾輩に何も物申せず、それで困っていたらしいのである。そんな吾輩が宇宙を創り管理する、コレで吾輩が創った宇宙を管理する為に立ち去るので、ホッとして快く快諾したということらしいのである。

 此の事に気づいた時、吾輩は少し落ち込んだのである。


 閑話休題である。


 吾輩は早速宇宙を創る為に無へと移ったのである。そして嘗ては趣味にしていた程の宇宙を創り始めたのである。


 吾輩、此の時は簡単に考えていたのである。だが星を創り始めて、何故吾輩が趣味を止めていたのか思い出し、少し後悔し始めたのである。


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吾輩より:吾輩の話を見てくれてありがたいのである。

 吾輩、時間の感覚が見てくれている者達と大分ずれているのである。なので吾輩の話は為るべく見ている者に合わせるのであるが、大分遅く感じるかもである。

「其でも良い」「話の続きが気になる」と思ったのなら、☆で高評価や♡で応援してほしいのである。吾輩、星やハートは大好きである。

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