こうもんで遊んではいけません(エッチなお姉さんと一緒に!)【R15】
大和田大和
第1話 小学生、セ○クスをする!
【プロローグ】
目の前のお姉さんの胸元は大きくはだけている。
小学生の俺は、彼女の巨大な白い渓谷に釘付けだ。
お姉さんは艶のある唇を開き、
「僕……? お姉さんと一緒にあそぼ?」
ちょっと年上のえっちなお姉さんの誘惑は、俺の心臓をドキドキさせる。
「遊ぶってなにして……?」
「もちろん、こうもんで遊ぶのよ……手を貸して?」
心臓はバクバク鳴り響く。
まだ小学生の俺は、彼女が何をしようとしているのかわからない。
きっと俺は今から大人の階段を登るのだろう。彼女は、白い指を俺の右手に絡ませてきた。
指と指を縫うように恋人にぎり。柔らかくてすべすべする女性の手の平は、まるで吸い付いてきているみたいだ。
俺はお姉さんのことが大好きだ。好きで好きで仕方がない。俺の面倒を見てくれて、一緒に遊んでくれる。
泣いている時は慰めてくれて、寂しい時はそばにいてくれた。
俺はこの人と結婚する。小学生ながら俺はそんなことを考えていた。
そして大好きなお姉さんは、俺の手を握り締めながら、
「じゃあこうもんで一緒にあそぼっか?」
「で、でも先生がこうもんで遊んではいけませんって言ってたよ? これっていけないことなんじゃないの?」
「そうよ……こうもんで遊ぶのは悪いことなのよ……いけないことだからこそ燃えるのよ?」
俺はえっちなお姉さんとこうもんで遊ぶ約束をした。
それがいけないことだとわかっていた。
だけどやめられなかった。
【プロローグ 了】
【第一章 小学生、セ○クスをする】
【第二章
セ○クス……それは大人が行う子を作るための行為。
セ○クスをすると、脳内では大量のオキシトシンが放出される。
そして、快楽中枢と報酬系が刺激され、めくるめく幸福を感じるのだ。
人によっては、お金を払ってでもしたい行為。
時には、我慢ができなくて犯罪を犯す人もいる。
セ○クスには人を狂わせるような魔力がある。
そして、その魔力に犯されたのは、他の誰でもない小学生の俺自身だった。
俺はまだ小学生なのにセ○クスをしてしまった。
相手はあのえっちなお姉さん。
まだちょっと早いかなという気もしたが、理性なんかじゃ止められなかったんだ。
俺たちは幾度も幾度も互いを求め合った。
時間さえあれば俺の部屋で愛を注ぎ込んだ。
お姉さんは、俺がしたいと思ったことは全部させてくれた。
彼女と愛し合った記憶は、確かに俺の胸の中にある。
俺は人並みに普通のセ○クスが好きだ。
だけど、こうもんで遊んだ事はまだない。
一体どんなふうになるのか、一体なにが起きるのか想像もできない。
最後には、きっと今まで感じたことがないほどの衝撃が待っているに違いない。
脳を震わせ、常識がひっくり返るような未知の体験を、俺は早く味わいたい。
=====
俺は『今日は寒いから早く帰ってきなさいよ』という母親に『わかっているよ!』と生返事をして、家を飛び出した。
だが、母親の声なんて何も聞こえてなかった。
何故なら俺は今からお姉さんと会うから。今日は楽しみにしていた約束の日だ。
そう……お姉さんと一緒にこうもんで遊ぶ日なのだ。
「急げ! 急げ! 遅れたら大変なことになる!」
俺は体を種馬の如く動かす。
全身をバネのように使って地面を駆っていく。寒い冬の冷気が手袋ごと手を切り刻む。
目指す場所は、俺が通っている小学校のこうもんだ。
【日曜日の夕方、こうもんで待ち合わせしましょう? 遅れたら承知しないからね】
それがお姉さんと交わした最後の言葉。
俺がえっちなお姉さんとした男としての初めての約束だ。
俺はえっちなお姉さんの外見を頭の中に思い浮かべる。
髪は肩よりも長く真っ黒。サラサラしていて、いい匂いがする。
目はぱっちりしていて、整った目鼻立ち。
可愛がりたいというよりは、甘えたくなるようなタイプ。
胸はエイチカップ以上の超爆乳。
いつも胸元が空いた服を着て、俺が谷間をチラチラ覗くと、悪戯っぽい表情になって『こら!』と言ってくる。
あれは絶対にわざとだ。
俺はそんなお姉さんのことが大好きだ。
彼女は俺にとって家族以上の存在なんだ。
手も繋いだし、キスもした。それ以上のこともした。
いつか絶対に結婚して、家族になるんだ。
抱いた女は、守るのが男の義務だ。
「待ってろよ! お姉さん!」
俺は心臓の痛みを無視し、一心不乱に走る。
それはお姉さんとえっちなことをするためじゃない。
彼女を救うためだ。
俺は歯を食いしばり、
「早くしないと、お姉さんが殺される!」
この物語は、『読者に媚を売るようなラブコメ』でも、『ロリコン変態小説』でもない。
【超ド級の究極変態キワモノノコギリ小説】だ。
俺は、商店街を駆け抜け、公園をつっきり、桜並木を無視して小学校へ向かった。
景色なんか気にしている場合じゃない。
それどころじゃないのだ。赤信号を無視して、横断歩道もダッシュで渡る。
(早く早く早く早く!)
頭の中では、自身を焦らせるような声が響く。
そして、体の全面に炸裂するような衝撃と痛みが走った。
こんな走り方をしていれば無理もないだろう。何かにぶつかったのだ。
俺は思わずよろけ、尻餅をついた。
「いてててててて……」
俺がぶつかったのは、なんと車椅子の老婆だった。
老婆は、若い介護士に助け起こされている。
「大丈夫ですか? おばあちゃん?」
最悪だ。よそ見していているときにぶつかっちゃいけないものランキング二位の『車椅子の老婆』とぶつかった。
「ご、ごめんなさい!」
俺はよろよろしながら、平謝り。
介護士は、顔を激怒させながら、怒鳴る。
「ちょっとあなた! 気をつけてください! 怪我でも――」
「本当にごめんなさい! 急いでいるので!」
俺は老婆にかまっている暇などない。えっちなお姉さんの命がかかっているのだ。
背後からは、老婆が「こらっ!」と叱るような声が聞こえた。
=====
俺は痛む良心を疲労で誤魔化しながら、懸命に走った。
小さな体を必死で動かし、風の子のように急いだ。
透明な空気の塊を体で引き裂いていく。
いくつもの破れた空気は、千切れて、砕けて、俺の後ろに旋風を生み出した。
どれくらい走ったかもうわからない。
身体中を突き抜けるストレスホルモンのせいで時間の感覚が狂っているのだ。
俺は狂った感覚を無視して、走った。走って、走って、走り抜けた。
そして、全身に刺さる疲労がピークに達した時……
「……着いた」
俺が通っている小学校のこうもんに辿り着いた。
(頼む! お姉さんいてくれ! 間に合っていてくれ!)
俺は酸欠で朦朧とする頭で天に祈る。藁にもすがるような気持ちで、奇跡が起きてくれることに期待した。
だがこうもんにはお姉さんの姿はなかった。数人の小学生の遊び声以外何も聞こえない。
「くそ……どうすれば……お姉さんが殺人鬼に殺される……」
嫌な想像は頭の中で反復されてしまう。
俺は、こうもんでボール遊びしている小学生に、
「ねえ君! ぜぇぜぇ……ここに綺麗な黒髪のお姉さんいなかったか?」
「えっと……僕知らない人と話しちゃダメだってママが……」
「俺はこの小学校の生徒だ! 一年四組だよ! 知らない人じゃないよ! 同級生だ!」
小学生は、途端に困惑した表情になり、
「ええっ……?」
すると、その様子に気づいた周囲の小学生(女の子二人に、男の子一人)が集まってきた。
おかっぱ髪の女の子が、
「どうしたの?」
一番最初に話した小学生が、
「いや、この人、自分が一年四組の生徒だっていうんだけど……」
すると、集まってきた小学生たちは一斉に、困惑した表情になる。
「なんでみんなそんな顔するんだ? そんなに変なこと言ったか?」
「だってこの小学校一年三組までしかないよ? それに失礼ですが――」
「ああああっ! 急いでいるから言い間違えたんだよ! とにかく人の命がかかっているんだ! 誰か黒髪の女の人見なかったか?」
俺がイライラしながら声を上げると、
「ちょっとどうしたんですか?」
校庭から若い女教師(グレーのスーツの巨乳・美人)が走り寄ってきた。
おかっぱの髪の子が、俺を指差しながら、
「先生、この人が困っているんだって」
「あなたたち! こうもんで遊んではいけませんって何度言ったら――」
その先生は、俺の知らない先生だ。俺はその知らない先生の話を遮り、
「あの! ぜぇぜぇ……はぁはぁ……ここで黒髪の綺麗なお姉さんが待ってませんでしたか?」
「あの大丈夫ですか? ちょっと休まれた方が……」
小学生とはいえ俺はまだまだ成長途中。体力は、まだジジイほどしかない。
だが休んでいる暇なんてない。
「大丈夫だよ! 俺はこんなに若いんだから平気さ!」
女教師(えっち)は引き攣った笑みを浮かべながら、
「そ、そうですね……」
「それで黒髪のお姉さんはいませんでしたか?」
「私見たよ!」
先生が来て、安心したのか小学生の内の一人が元気よく言った。
「その人は、どこに行った?」
「なんか大人の男の人について行った」
その瞬間、背筋に氷が焼きついたような感覚が走った。
女教師は、
「それってまさか……」
「くそっ! 遅かったか! 多分今朝、精神病院から脱走した二人の内の一人です……いかれた殺人鬼にやられたに違いありません……」
俺が走っていたのは、お姉さんと遊ぶ約束のためじゃない。
脱走した殺人鬼からお姉さんを守るためだ。
女教師は、
「私、警察に電話します」
慌てて校内に戻って行った。
お姉さんが殺人鬼に拐われた。
頭の中に、緊張感が津波のように押し寄せる。
「なあ君たち! そのお姉さんが連れていかれた場所に案内してくれ!」
「で、でも……」
「案内してくれたらビックリマンシー○やるから!」
小学生は困惑した表情になって
「なにそれ? 僕そんなの知らない」
「嘘だろ……学校で流行っているじゃないか」
「でも妖怪ウォッ○のメダルくれるならいいよ」
「わかったなんでもあげるからとにかくお姉さんが連れていかれた場所に案内してくれ! みんなで一緒にそこまで行こう! それなら怖くないだろ?」
「わかった! 約束ね!」
「ああ! 俺は約束を守る男だ!」
そして、俺たちは小学生だけで殺人鬼を追跡することになった。
【第二章 最初の殺人〜チルドレンズウォーゲーム〜】
小学生だけで殺人鬼を追う。そんな映画みたいな冒険が自分の身に起こるなんて。
俺たちは小さな足で、歩幅を刻む。
足跡を台地に残すように、駆けていく。
いつか大人になったら冒険なんてしなくなるのかな。
哀愁漂う卑屈な考えが、脳内を風と共に過ぎていった。
俺は子供達の中で一番背が高い。とはいえちょっと高い程度だが。
現在、俺の身長は一メートル五〇センチ。この景色が見られるのはきっと今だけだ。
「この先の河原だよ……あの橋の下」
そして俺たちは、街を縦断するドブ川のたもとに着いた。
川には巨大な橋が仁王立ち。
橋の下には、ゴミがいくつも不法投棄されているエリアがある。春になると家を失った人がたくさんやってくる場所だ。
大人たちからは、近づくなと言われている。
だけど『こうもんで遊んではいけません』と同じような効力しかない。
近づくなと言われれば、子供は余計近寄ってくる。
「よし! 俺が先頭に立つ。みんなで一緒に探そう。急げばまだ間に合うかもしれない」
「ふふ……なんだか楽しいね!」
「ちょっと! 遊びじゃないのよ! でも……私先生の言いつけ破るの初めて」
この時はまだ、『自分たちが身の毛もよだつような事件に関わり始めていたこと』になんて気づいていなかった。
俺以外のみんなは面白半分、遊び半分でついてきている。
この後、本物の死体を見ることになるとは思ってもいなかった。
心の中では殺人鬼にお姉さんが誘拐されたなんてただの妄想だと思っていた。
心のどこかでは、自分だけはそういうのとは関わり合いのない人生を送れると思っていた。
だが死体はあった。
俺たちは、ブルーシートに包まれた何かの周りに集まっていた。それは、河原のすみに置かれている。
ブルーシートはヒト一人ほどの大きさの物体をすっぽりと包み込んでいる。ガムテープなどで巻かれたりはしていない。不法投棄されたゴミの横にポンと無造作に置かれていた。
ブルーシートを見つけたのは、おかっぱの女の子。
言いつけを破ることに興奮と快感を感じているのか、目がキラキラと輝いている。
「じゃ、ブルーシートを外すぞ? この中に死体が入っているかもしれないけど、みんなはいいんだね?」
「うん! 早くしたい見せて!」
「入っているわけないじゃーん!」
俺は心の中で神に祈る。
(頼む! ただの勘違いであってくれ! 全部俺の妄想であってくれ!)
俺は震える手で一気にブルーシートを剥がした。
その中には、ありとあらゆる拷問を施されたであろう女性の亡骸があった。
人の形を保っていないその肉塊は、まるで精肉店に並ぶ牛肉のよう。
「きゃあああああああっ!」
だがそれが人の体の一部であったことを告げるパーツがあるのだ。
この芸術作品を発見した人が、『それが以前人間だった肉』であることが一眼でわかるような決定的な証拠。
切断された女性の頭部が、最初にブルーシートを剥がした人の目と合うように置かれていたのだ。
女性の髪の毛は、顔を埋めたくなるほど綺麗な黒髪だった。
『第三章こうもん殺人鬼』へ続く。
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