第1035回『撮影や稽古では、脚本家は口を挟まない』

脚本家は原稿を提出し、OKになったら、任務終了。

その後の過程には一切、口を挟まないというのが、ワタクシの方針です。

(監督・演出やプロデューサーから聞かれたら答えますが。)


映画の撮影でも、舞台の稽古でも、ワタクシは行かないようにしています。

行っても、意見を言う立場にないからです。

現場は、監督・演出のもの。

脚本をどう解釈してもいいのです。

指示するのも彼らの役目。

ワタクシではないのです。


キャストやスタッフから、脚本のことを聞かれても困ってしまいます。

たいていは、監督・演出が手を加えるので、脚本が変わってきます。

変わること自体は構わないのですが、少しでも変わったもの対しては、言いづらいのです。

そして、ワタクシは脚本だけが専門です。

演出や演技、技術的なことは専門外なので、的確なことが言えません。


何も言わない脚本家は、現場にいても仕方がありません。

邪魔なだけです。

ワタクシもすることがありません。

なので、行かないようにしているのです。

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