第436回『脚本仕事で「納品」という言葉を使ったことがない』

これまでの脚本家人生で、ワタクシは「納品」という言葉を使ったことがありません。

すべて原稿は「提出」です。

「商品」ではなく「作品」なんだよ!……という考えではありません。

「作品」であると同時に「商品」ですから。


ではなぜ「納品」という言葉を使わないのか?

自分の中では、「納品」は仕事終了・完了の意味合いがありまして。

「提出」「送信」しただけでは終わっていない状態なのです。

相手側からOKをもらったら、そこでやっと案件の終了・完了。

だけど、そのOKがいつなのか分からない。

OKを半月後にもらったら、提出時はまだ納品じゃない。

OKをもらって終了したはずのに、数か月後、直しの要請が来る。

OKの返事をもらえないまま、企画消滅。

OKの返事をもらえないまま、知らぬ間に作品化が実現しているなんてことも。


なので、「提出」した時点では「納品」になっていないので、ワタクシは使わないだけでした。

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