第15話 アシャアシャの覚醒

三人は一つの部屋にいて

魔法使いの弟子でもあるリアと幼馴染のナジュナジュが話込んでいる


「昨日の夕方 僕は 電話でアリステア先生に 大怪我に使われる魔法薬をあるだけ持って来てって言われて 魔法ギルドの屋敷まで届けたよ」

「ベットで大怪我をした魔法使いの人が寝ていた‥身体中 包帯だらけ」リア


「アリステア先生が治療していた・・治癒の魔法もかけていた

他にも沢山の人がいた」

「各地のギルドの長が全員いた お城の偉い人達も沢山

街の市長も皆、真剣な硬い表情をしていた」


「部屋にある ソフアに座りこんでいる中年の男の人がいた」

「自分のせいだ・・」って呟きながら目を赤くして泣いていた 部屋にいた人達が彼を慰めていた


ベットに寝ていた大怪我をして治療中の魔法使いも同じ事を言っていた

「ルナ教授 貴方のせいじゃない、すでに封印は壊れていたから・・って」リア


「・・封印?」ナジュナジュ

その言葉に アシャアシャの黒い耳がピンと動く、目を大きく見開く


まだアシャアシャの様子に気が付かない二人

リアとナジュナジュ


「時間がない、三日が限度・・四日目には 間に合わないって・・そうも言っていた・・いにしえの魔法の王に匹敵する魔力を持つ者はどこに?・・って」


「その後 ドアの前に立っていた僕に気がついたアリステア先生が

慌てて追い立てるように

僕の手から薬の袋を取って 早く帰りなさいってドアを閉めた」


「なんか顔色が悪くて怖い顔していた 」リア


「時間・・ない・・あと・・1日・・」

瞳を見開いたまま 小さな声で呟くアシャアシャ


「・・んっ 何か言ったアシャアシャ?」振り返るナジュナジュ

「どうしたの?アシャアシャ?」きょとんとするリア


ふわりと風もないのに アシャアシャの髪が広がり 左右に動く

「時間がないの・・私は行く・・」


口調も違う、いつものたどたどしい言葉でなく、はっきりとした言葉


ポトリと手にした キャンデイと赤い子竜のぬいぐるみを落とすアシャアシャ


「時の力が私を起こす、呼び覚ました 覚醒した・・まず アリステア先生の処」


「それから あの異変の場所に行く 奴が私を呼んでいるから」

「この暗黒の女王を・・」後ろを向いたままのアシャアシャ

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