第27話 真相



「あの後、アークデーモンの調査に、神父さんを含め、Cランク冒険者とBランク冒険者で探索したんだが……結局アークデーモンは現れなかったようだ」


「前回も、6時間かけて1体しか現れませんでした。偶々現れなかっただけでは?」


「それがなぁ……今回は1週間調査をしたんだ。2度現れた以上、偶然ではないと思っているが、ここまで出ないとなると……一応もう1週間調査させてみるが、それ以上は難しい」


じゃあ本当にあのアークデーモンは何者だったんだ?


「分からないが、調査をしても何も出なかった以上、異変なしと報告しておくしかないな。だが、今後暫くは墓地への立ち入りを制限しよう」


結局分からない事だらけだったな……

まぁ、一旦この事は忘れよう。気にしても仕方ない。

そうして僕はゴブリン退治の依頼を受注するのだった。




ゴブリン退治が終わり、ギルドに報告。


僕は帰り際に、教会による事にした。


「あの……すみません。また聖水が欲しいのですが……」


アークデーモンとの戦いで使ってしまったからな。悪魔種やアンデットには聖水が必須だ。


「はい、どうぞ。一本銀貨10枚になります」


うっ!やはり結構するな……

財布から銀貨を10枚探していると、教会の人が言った。


「……あれ?その装備呪われてますね」


「えっ!これ呪われてるんですか!?」


いつも使っていた盾と鎧が呪われていたとは……

しかし、今まで何も無かったはずだが…


「呪いの内容までは分かりませんけど、おそらくなんらかの魔物の呪いです。これ誰か亡くなった友人のものだったりしませんか?魔物が人を殺した時に1番呪いがかかりやすいんですよ」


友人ではないが正解だ。

鍛冶屋の店主がたしか、貴族の人がアークデーモンに襲われたとか、言って……………!?


「ひょっとして、呪いのせいで魔物が進化したりなんてことありますか?」


「あー……前例は少ないですがありますよ。呪われた物を呪った魔物と同種の近くに近づけると魔物が強化、進化するとか」


あっ……やばい


「あの!この呪いって解いたり出来ませんか?」


「出来なくはないですけど……お金、かかりますよ?」


「全然大丈夫です!早くお願いします」


「そこまでいうなら……」


こうして僕は、財布の中身と引き換えに墓場まで持っていく秘密が出来てしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る