休憩中のやさぐれダウナーメイドさんに煙草を吸わせてもらった

//以下清楚メイド


若旦那様


全てご注文のものは取り揃えさせていただきましたが、他にご入用の物はございますか?


はい、承知いたしました


こちらは恐らくは……はい、はい……承知いたしました


それではその通りに


それでは、一旦休憩に入らせていただきます


何か緊急の御用があれば、お近くの者に言伝をお願いいたします


それでは失礼いたします


//場面転換


//以下ダウナー


//タバコ

すぅぅぅーー……ふぅぅーー……


はぁ……


ん……? ぁ、若旦那様、いたんですか


なにか用ですか?


……特に何も?


はぁ、そうですか


…………


いや、あまり一緒にいられても困るんですが


休憩中ですし、私はなるべく独りの世界に籠って煙草を吸いたいので


……印象がまるで違う?


はぁ、そうですか


では一緒にしても良いですよ? ただしこちらに合わせてもらいますけど


まぁ肝心の仕事内容のスペックは変えませんが、対応はガラッと変わりますねー


止めときます? そうですか、賢明な判断ですね


……普段の私と違い過ぎるからまだ驚きが止まりませんか?


全く、休憩中の乙女を覗くなんて……はしたないです、若旦那様


……というか、雇用主があまり個人に深入りしない方が良いですよ


こうして、夢がぶち壊されたわけですしね


あーぁ、私も、若旦那様にこういうの見られると、ほんのちょっとだけお仕事やりづらくなるな~


どっちかというと、この仕事は給料良いので助かっているんですが


という訳で、さっさと自室にお戻りやがれください


……もう少し喋りたい?


なんという奇特なお方なんですかねぇ……やっぱりお金がありすぎるから、変態趣味に走るんでしょうか


私は残念ながら、若旦那様に口説かれる予定はございませんよ?


それでも?


まぁ、別に仕事を押し付けないなら隣にいるくらい良いですけど


//タバコ

…………すぅーー、はぁ……


はい? これが気になります?


あぁ、そういえば若旦那様は吸いませんもんね


あまり良くないですよ~、値段は高いわ、依存性はあるわ、おまけに体にも悪いです


それに、私の近くにいる若旦那様にも多少影響がありますよ


ほらほら、早く自室に戻らないと、痛い目に遭いますよぉ~


……ガキ扱いするな?


//わざとびっくりしたような

まぁ、若旦那様は大人であらせられましたか!


そうですかそうですか……では、吸います? これ


なに固まってるんですか、ほら、口にちょっぴりつけて、肺に満たすんですよ


咥えさせてあげますから


……ふふっ、ふふふふふっ♪


あぁいえ失礼、むせるとわかっていても、やっぱり見ると面白かったですからね


まぁ慣れれば……すぅーー、ふぅぅーー……こんなもんです


……は? 間接キス?


…………あー、まぁそういうことになりますかね


ってか、そんなくらいで赤くなるんですか? 大丈夫です?


全く、若旦那様はあほみたいに純情なんですから……わるぅい女に騙されて没落しないでくださいよ? 私は稼ぎたいんですから


だったら私が面倒みるべき? ……あー、そう来ますか


//甘く無声囁き

その時点で騙されてますよ、アホ旦那様


ま、確かに、同じ騙されるよりも私の方が少しはマシかもですね~


……あ、もう休憩終わりだ


//以下、清楚メイド


では、私はお給仕に戻らせていただきますね? 若旦那様♪


それでは


……先ほどの話は忘れないでくれ?


もう、何を言っているんですか? 先ほどのはただの戯れ、白昼夢みたいなものですよ


//甘く無声囁き、ダウナー気質

それでも本気でしたいなら、もっと立派になってくださいませ、若旦那様

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る