我儘な天才科学者を差し置いて学会で賞を取って分からせたら依存系ヤンデレに堕ちた
おいっ、おい助手っ!
おいっ! 今朝までに頼んでおいた実験結果はどうしたんだ?
はぁ? 出来てない?
今朝までにって昨日の夜に渡したよな? なんで出来てないんだ?
はぁ~~、もう何度目だ……
徹夜してでも今朝までに結果を出さなきゃ、またまとめるのが遅れて、天才的発想を腐らせるんだぞ!
まぁ~ったく……どういう神経をしているんだ……
まぁ、私がいる限り、絶対にあり得ないが?
もしも、もしも君はこの研究室がなくなったら、どこにも行くあての無いただの能無しだろ?
それなのに、全く……私なら、別にいつでもどこでも、この才能を買いたいなんて企業でも大学でも腐るほどあるんだがな……
別に君を心配しているわけじゃないぞ? 私の研究成果に少しでもひびが入るのがイヤなだけだ
//嫌味たっぷり
全く、呑気で良いもんだな?
ったく、分かったなら今からでもさっさとやれっ!
私か? 私はこうして君のケツを蹴っ飛ばしに来ただけだぞ?
どーせこうだろうとは思っていたがな!
私の予想は研究でも君の態度も、100%当たっているな!
あははじゃない! いいからさっさとやれっ!
はぁ? 1人だけじゃもう手に負えない?
はんっ、何馬鹿なことを言っているんだ?
人が多ければ多いほど、私の才能にぶら下がったり成果を横取りする低能が増える……
だから、君みたいな、絶対そんなことをしなさそうな気弱な奴を置いてやっているんだっ!
お前なんか他の研究室で通用すると思うなよ?
私が! と・く・べ・つ・に! 置いてやっているんだよっ!
全く、なんて恩知らずな助手なんだ……
あ? そんなに研究費申請が通らなかったのが腹立ってるのかって?
そ、そんなわけないだろう!
私の頭脳さえあれば、次は通るんだよ!
その為に! 君がギリギリまで頑張ってくれなきゃ困るんだよ!
ま、これくらい言えばもう君みたいなのでも分かったか?
なら、さっさとまとめておいてくれよ?
私は、君を起こすために、君よりも何倍も大事な脳みそを休ませる睡眠を削ってきたんだ
終わったら、優しく起こしてくれよな……ふわ、ぁ……
あ、あと、朝昼晩の飯も、ちゃんと忙しくても作って用意しといてくれ
この紙に書いた奴な
不味いのを作ったらまた再実験ならぬ再料理だから忘れるなよ~
……あ? 今、なんて言った?
研究室を辞めるぅ?
ほ、本気か? 本気で言ってるのか?
は……君の研究が、賞を取った……?
は、おい、ウソだろ……? あんな研究が……?
は、はんっ、どうせ小っちゃくって、賞金も少額だろう?
見栄っ張るなよ、ザコォ!
宝くじだって、300円当選でも当たったよ~って言えるからな!
な、なんだよ、おもむろに紙なんか出して……
//気の抜けたような声
はっ?
え、は、なんで、こいつなんかにこんな額の賞が……あっ!
おいっ! どういうことだこれ!?
//どんどん弱弱しく
そんな、私の出したところと一緒なのに、私が通らず、君のが、通った、だと……?
ううう、ウソだ、ウソだ……っ!
だから、もう出ていく……?
いいいいやいや! 待った待った!
あはは、君がそんな優秀なんてねぇ、良かったじゃないか
教授として嬉しい限りだよ、はっはっはっ!
だから、もう少しは緩くしてやるから……な? 出ていくなんて言わないでおくれよ
いっいやっ! ま、待って、いや、待ってくださいっ!
おおぉお願い、お願いしますからっ! ウチから出てかないでっ!
私が死ぬ、本当にお金なくて文字通り死んじゃうからぁっ!
ね、今からやる作業も手伝う、もう少し楽にしてあげるから、ね?
じょ、助手に居てもらえなくなっちゃったら、私、どうしたらいいのよぉっ……!
……え? 聞かない? もううん、ざり……?
そ、そんなっ……いや、行かないで、お願い、お願い……だからぁっ……!
ご、ごめんなさい、ホントに、ごめんなさいぃっ!
私、君と一緒に居たいから、研究室にだって君しか置いてないし、
君、モテるから、昼でも夜でもずっと作業させとかないと、他の女の子のところ、行っちゃう、かもって思ったら……っ!
だけど、一緒の空間にいると、熱くなって、火照っちゃって、わけわかんなくって
科学的に説明できないこれなんて……
れれ、れ、恋愛、なんて、私にはとてもとても、出来ない、し……
き、君とどう付き合えば、良いのかっ……
で、でもっ、君がここにいてくれるなら何でも、なんでもするっ!
き、君の研究を全力で手伝うし、君の為に働くっ
君が何かして欲しいって言ったら、なんでも、するからぁ……
わ、私は、外見は良い方だろ? 男って、こういうの、好きだろ?
男が悦ぶことは、一切知らないけど、君が言うとおりに、その、してほしいこと、して、あげるから……
//媚び
わ、私だけと、一緒に、居て……?
独りぼっちに、しないでっ……!
い、いい、の……?
うん、うんっ、君にもう負担はかけないっ
君から奪ってた、そ、その、彼女に、なってあげる、からっ……
ぃぃいやっ、彼女に、して、ください……!
//恥ずかしがりながら
君になんでも、ご奉仕、する、彼女に、なりますっ……
良かったっ、良かったぁっ……♪
//抱き着き
ぎゅーっ……♡
これからっ、共同研究、頑張ろうねっ♪
//無声囁き
きょ、共同、作業、だねっ……
ずっと二人だけで研究しようね……♡
ずっとずっとずっとずっと、好き、だからっ……♡
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます