大民衆の中、ヤンデレ吸血姫に即結婚か即処刑か迫られ、俺は屈して公開吸血される

さぁ、皆の者、静まりなさい


……んふふっ、良いわね、一つ言うだけでなんでも叶う……んふふっ♪


愚民どもから巻き上げて、圧政を敷いてきた甲斐があったというものですわ♪


……外道?


んふふふっ♪ まだそんな口が叩けるなんて……まさに、私の理想の男、ですわぁ♪


でも、あんまり調子に乗っていると、この女王たる吸血姫直々の処刑で、すぐに首が飛んでしまいますわよ?


ほら、あなたとあなたの彼女の首の上で吊られてる刃……忘れたとは言わせませんわよ?


んふふっ、いい子ですね


さて、もう一度罪状を読み上げて、民衆にもしっかりとその悪い頭に叩き込んでおいてもらおうかしら?


こほん……この男は、私の求婚する手を払いのけ、洗脳から見事に我に立ち返り、幼い頃から想い、果てには慕い続けてきたそこの女と添い遂げようとした罪により……


斬首の極刑が妥当である!


……身に覚えがない?


あらそう? 身に覚えがない、じゃなくって、そんなつもりでやったんじゃない、でしょう?


//悔しそうに

やったことに間違いないわ……


一目惚れ、でしたの……あなたのような素敵で、素晴らしくて、美味しそうな人は、


なのに、婚約している彼女がいる? あなたとは結婚もお付き合いもできない?


//囁き

全く、私が愛してあげるというのにどういうことなのかしら…?


城に強引に連れてきてあげて、あなたとの生活はとっても、とても楽しかった……


あなたもそうでしょう? 最初はイヤイヤだったけれど、そのうち少し分からせてあげたりちょっと洗脳してあげるだけで、とぉっても良いカオになったもの♪


城の中だけは自由にさせてあげたから、追いかけっこも童心に帰れて素敵だったわ♪


いつもあなたは逃げて、いつも私は追いかけたわね……


捕まえたらご褒美に、あなたが立ち上がれなくなるまで血を吸わせてくれたわね?


少しじたばたしてたみたいだけれど、それも力が弱かったからフリだけで、少し背徳感があって血もいつもいつも美味しかったわ……んふふっ♪ 私のために演じてくれてたのも、ちゃんと分かってたわよ?


あぁ、そうそう! 私が入浴しているときに、あなたが入ってきたのは……


んふふっ♡ 少し、恥ずかしかったわ♪


でも、あなたは私の裸を見たんですもの……やっと、やっと一つになれるのね!


……そう思ったのは、あなたが珍しく追いかける側になった時よね


でも、それ以来、追いかけっこはできなかった……


あなたが、城のカギを盗んで逃げてしまうんですもの!


//吐き捨てるように

こんなに馬鹿ばかりが集まったって、あなたのような人に敵うわけがない……


でもまぁ、あなたを見つけ出すという点では、少しは役に立ったかしらね?


みぃんな、私の奴隷のようなものですもの……ちょっとあなたの首にお金をかけるだけで、私の目はどこにでもあることになる……ねぇ、そうだったでしょう?


そしてそんな女を連れて逃げるなんて、この国の中ではできるはず、ないですもの♪


それじゃあ、そんなあなたとあなたの彼女さんは、仕方がないから処刑……


と、その前に、たった、たった一個だけチャンスを与えようと思いまして♪


あら、要らない? 気付いていないの?


今、“チャンス”と言ったら少し、顔に希望の色が戻ったわよね?


んふふっ♪ そうでなくては♪


ニンゲンらしい、あなたも素敵ですわよ?


//以下、囁き


ねぇ、私から逃げられると思った? 思っちゃったんでしょう?


でもあなたはこうして捕まって、同罪の彼女と一緒に晒し物にされて……♪


これはお仕置きよ? ここでこんな恥ずかし~い格好で大勢に観られて、命を私に握られてるんですもの♪


//色っぽく

生きたい? ねぇ、生きたいでしょ?


まだまだ人生これからだもんね?


ねぇ、なら……選ばせてあげるわ


ほら、両手に縄を一本ずつ握って?


右手のを引くと、あなたとあなたの彼女の首が飛ぶわ


左のは、あなたの首の枷が外れて……


//恍惚と

彼女の首が飛ぶの♪ 素敵でしょう?


は? って、当然でしょう? 私からモノを盗んだ大罪人……首が飛ぶのは決定よ?


私に嘘をついて逃げ出し、私の顔に泥を塗り、唾を吐いて逃げ出したあなたにも、お似合いの罰だわ♪


//囁き終わり


それとも、彼女だけでも救ってほしい?


彼女だけなんて、そんな我儘は赦さないわ


けれど……そう! やっぱり、命だけでも救ってほしいって思うんだぁ?


でもその代わり……彼女は死んだ方がマシっていう深い罰を与えるわよ?


この国の男たちはすっごく抑圧されてるから……彼らにも、私からたまにはご褒美をあげないと……そういえば、あなたの彼女さん、顔だけは綺麗ね? んふふふふふっ♪


ね、解放してあげればいいの


そんな辛い思いから、彼女だけでも解放してあげて?


死んだら、流石の私もそれ以上手が出せないもの……


ね、私の魔の手から彼女を救ってあげて? 二人きりで逃げてきた仲でしょう?


大丈夫……あなたは左の縄を引っ張るだけ


//耳を塞ぎ

私があなたの耳を塞いであげる、あなたの目を優しく覆ってあげる


そうしたら、この先もずっと幸せに生きられるわ♪


さ、あなたは左の縄を引っ張るだけ……それ以外は何も起こらないから……


//数秒待ち

//囁き、ひそひそ声終わり


んふふふっ、んふふふふふふふふっ♪


偉い、偉いわ♪


//以下、演説風に


この男は一番いい選択をしたの、偉いことをしたわ♪


彼は、過去の女を捨てて、私を選んだ♪


彼を覚えておいて? 私の伴侶である、自分だけ生きたいと願った男を♪


//演説風終わり


さぁ、立って? これで調教はおしまい……


久しぶりに、あなたの血を吸わせてちょうだい♪


本当は、吸血は人前で見せてはいけないもの……私も、子どものころは、よくはしたないって怒られてたわ


でも、ここでなら改めて結婚の証として、キツく抱きしめて、甘く吸血してあげる……♡


//抱きつき、囁き


ねぇ、これで分かったでしょう? 私には、もう逆らえないって♪


それに、あなたはあなたの彼女を殺したの……こんな大勢の前で♪


だから、あなたの居場所はもう私の隣だけ♡


逃げ出したら……私が手を下さずとも、この国全員があなたを彼女殺しとして、どうするのかしら? 私が探し出すまでに生きていればいいのだけれど…‥


そう、全部、ぜぇんぶ私の手のひらの上♪


仮にあなたが右を選んでも……同じだったけれどね?


んふふふふっ、ふふふふふふふふふふっ♡


あら、泣いちゃって……んふふっ、久々の私の胸に抱かれて、嬉しいのね♡


なら、私もいただこうかしら……あなたの、絶望にまみれた血を♪


ね、これからもずっと、ずっとずっと、愛してるわ


はぁ……む……


//深く吸血。あなたは意識を失いかけて、吸血姫に倒れ掛かる

んちゅっ……ちゅむっ、ちゅぷっ……ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅ……っ♡……ちゅっ♡


ジュルっ……んふふっ、変わらず美味しかったわ、アナタ……♪


こんな美味しいアナタの血と、私の高貴な血……


混ざりあったら、どんなに可愛い子どもができるんでしょうね?


試したいわ……


次に起きたら、血じゃなくって別のモノが干からびるまで、シましょうね……♡


それまで、ゆっくり私の胸の中で休んでね


//囁き

あの女のことなんか、すぐに忘れさせてあげるわ♡

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る