第35話側仕えであるマリーとバッチリ目が合う
「うん?まぁそうだな。それがどうかしたか?何も無いなら俺もう寝たいんだけど」
コ、コイツっ!? それでも男なのかと、ちゃんと付いている物はあるのかと、小一時間問い詰めてやりたい気分ですわっ!!
このままではわたくしの将来設定の一つで子供は三人以上という夢の一つが叶わないかもしれませんっ!! これは由々しき自体ですわっ!!
「それに、お前は良いのか?」
「へ? 何がですの??」
「この部屋だが隣の部屋にいるお前の側仕えに覗かれているぞ? 嘘だと思うのならばあそこにある不自然に空いている穴を覗いてみればいい。 だけれども、君がそういう、他人に見られなければ興奮しないという性癖の持ち主というのであれば俺も頑張ってみるよ。 惚れた女の性壁の一つや二つくらいなら付き合ってあげるのが男というものだとも思うしね」
あらやだ、カッコいい……ではなくて!! み、見られているんですのっ!?この部屋っ!!
そしてわたくしはブレットが指を刺していた方角にある壁を、目を凝らして見てみると確かに不自然な穴が空いているではないか。
そんなバカな。
そう思いながらも一度穴を見てしまったら、確認せずには安心できない。
流石に、いくらなんでも他人のプライベートな空間を覗き見るなど、それが側仕えだろうと平民であろうと貴族であろうと、あり得ないだろうと思いながらわたくしは不自然に空いた壁の穴を覗き込む。
すると、わたくしの側仕えであるマリーとバッチリ目が合うではないか。
「あ、私の事は気にしないでください、シャルロットお嬢様。 私は今、路傍の石でございます。 ささ、こんな石ころの事など気にせず続きをどうぞ」
「…………で」
「で?」
「できるかぁぁぁぁぁぁあああああっ!!」
思わずわたくしは端無いのも気にせず叫んでしまう。
え? え? もしブレットもこの穴の存在に気付けていなかったならば……。
そう思うと冷や汗が止まらない。
とにかく今は大人の運動会を開催しなくて心から良かったと心の底から安堵する。
「どうしたんですか?シャルロットお嬢様。 いきなり大声なんか出されまして。 そんなのではブレットと事を及ぶ以前の話となって来ますよ?」
違う。
そうじゃない。
そう叫べればどれ程楽だから。
そして私はマリーをわたくし達の部屋へと呼び、なぜ覗いていたかを聞くことにする。
「なんで側仕えである貴方が、わざわざ覗き込んでくるんですかっ?」
「え? だって」
「だ、だって……?」
「子種が本当に主人の物であるかの確認は必要でしょう? それに、初めてどうしですとそもそもやり方を間違ってしまう場合もあるので、そういう時は側仕えの私が手取り足取りフォローに周る事ができますっ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます