●隣国の公爵令嬢に婚約者を奪われたので前世の知識をフル活用してして見返して差し上げましょう

第7話夢物語ではないはずだ

　そしてわたくしが持つもう一つのスキル【ママゾン】なのだが、この世界でいう所の【錬金術師】の実質上位交換である。

　スキルの能力は前世の巨大インターネットショッピングサイトで注文し、そして注文した物が私の目の前に出現するというものである。

　勿論このスキルについてもデメリットがある。

　それは【ママゾン】で商品を購入するには地球で使用できるお金が必要であるという事である。

　因みに等価交換ボックスというこのスキルの能力の一つを使用しこちらの金貨を日本円で十万円へと両替できるのだが、この能力で失った金貨が消えてなくなった場合のデメリットを考えるとおいそれとこの方法での購入は控えた方が良いと判断した私は、スキル【ググレカス】を使いアイチューブへ登録、ママゾンで購入した機材で異世界配信し、その広告収入で金銭（日本円）を稼ぐことに成功したのである。

　ググる事だけが出来る事ではないのだよ、ワトソン君。

例えるのならば、検索エンジンが【ググレカス】しか使えないバグがあるパソコンのようなものである。

　ハッキリ言ってヤホー！等その他検索エンジンが使えなくとも何ら問題はなく、だからこそこの【ググレカス】のデメリットは先に述べた『嘘を見抜けなければ使いこなせない』のみなのである。

　当然【ググレカス】しか使えないパソコンのような物なのでこちらで撮影した動画などをBluetoothを使ってデータファイルを送信し、そのデータは【ググレカス】で編集、アイチューブへアップという流れである。

　因みに【ググレカス】から【ママゾン】で購入はできるのだが宛先不明により返却されて終わりである。

　そして、今ではわたくしのアイチューブアカウントのフォロワーは軽く百万飛んで今現在七百万人である。

　ここまで登録者が増えた理由はやはり海外からの視聴者が多い事であろう。

　おかげさまで未だに登録者数は増加しており、わたくしの広告収入は【ママゾン】しか使い道が無くたまる一方である為とんでもない額になっている。

　この巨万の富と【ママゾン】、そしてネット内にある膨大な知識があれば王国以上に発展し、王国軍、いやこの世界一の軍事力を作り上げる事も夢物語ではないはずだ。

　いままでわたくしがやらなかったのは単に面倒くさかったという点と、現時点での生活をさほど不憫に思っておらず、近代化が進んでいない生活も悪くないと思っていたからである。

　しかしながら家族をコケにされてまでも今のままで良いと思える程わたくしもお人良しでもなければ怠け者でもない。