第260話 ダウト

 そして俺はこのクロード姫の主人公ムーブをかます現在の状況、他人の話を聞かず自分がこうだと思ったら猪突猛進の熱い行動力はどういう相手に今までかましてきたのか考えると、信じたくない答えに辿り着く。


クロード姫がこの暑苦しい主人公ムーブをかましてきた相手の共通点、それは……クロード姫が惚れた相手の事となると周りが一切見えなくなり暑苦しい主人公ムーブをかましてきているのである。


 いや、まさかな……そんなはずがない。


 そう思いたいのだが、ブリジットの件にしろスフィアの件にしろ、そうとしか思えないのである。


 そしてクロード姫は現在心まで女性化しており、クロード姫の恋の相手は女性から男性になってしまっているとなると、目の前で暑苦しい主人公ムーブをかましているのはどう考えてもそうだとしか思えないのである。


「なぁ……熱く語ってくれている所悪いのだが一つ聞いていいか?」

「お、なんだ? 俺にできる事ならばなんでも聞いてくれっ!! 俺が答えれる事ならばなんでも答えてやるぜっ!!」


 そして俺はくよくよ悩んでいる時間がもったいないと判断して単刀直入で本人に直接聞いてみることにする。


 あーだこーだと考察したところでどこまで行っても机上の空論でしかなく、答えはクロード姫にしか分からないというのであればもう本人に聞くしかないだろう。


 そう思い、俺はクロード姫に今から一つ聞いてもいいか確認してみると、クロード姫は胸を張って『なんでも聞いてくれ』と答えてくれるではないか。


 そして俺は真実を知りたくないという逃げの思考を振り払って爆弾を投下する。


「クロード姫は、俺の事が男女の関係として好きになっていたりしないよな?」

「………………………………そ…………そんなわけない……だろ? き、ききききき、気のせいじゃぁないかなぁ? こ、こここ、この俺がお前の事なんかす、すすすすすすーーーーーー……すぅ……す……好きだなんて、あるわけないだろう……?」


 ダウト。 これもう俺のこと絶対異性として好きなやつじゃん。


 しかもこの感じはクロード姫は既に俺の事が異性として自覚しているのを気づいているとみて良いだろう……。


 え? これマジで詰んでね?


「で、でもお前は表では悪者のように振る舞っているのだが、裏の顔を見ると、その、意外と魅力的というか、決してお前が人として魅力がないとから好きじゃないって言ったわけじゃないからな? むしろ、誰に褒められるわけもなく人の為に動いているお前はカッコいいというかなんというか……ば、ばかっ!! 俺に何を言わせるんだよっ!!」

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