第11話「住処の鍵」
女について行くと、でかい屋敷があった。
「ここ、私の家なの、入って」
「あぁ、ありがとう」
中に入ると、無音の空間が広がっている
「この屋敷は他に誰か住んでいないのか?」
「えぇ、私一人しか住んでいないわ」
こんなでかい屋敷に女の子が1人で住んでいるのか、どこかのご令嬢だろうか?
「失礼だが、ご家族は」
「ここには家族なんていないわ」
俺の質問に女が答える。だが、ここにいないというのは、この家に住んでないという意味なのか、それともこの世にはもう居ないと言う意味なのか分からない。
「そうか、悪かった。」
「別にいいわよ。それに、今日からこの家には3人住むようになるんだから」
どういうことだろうか?3人住むというのは、俺と少女2人と女の4人のはずなのだから、誰か1人はこの家から出ることになる。
というか、いつから俺が住む前提になったのだろうか、つまりは女とこの少女2人が住むということだろうな。
「そうか、ありがとう。2人の事は頼んだよ」
俺がそう言うと、女は不思議そうに言う
「何を言っているの?住むのはこの子達2人と貴方の3人よ」
「いやいや、ちょっと待てよ。お前はどうするんだよ」
「私は他の場所にも家があるから、この家は貴方にあげるわ」
この女は一体何を口走っているのか分かっていないのだろうか。家だぞ?しかもこんなにでかい御屋敷だ。それをあげるとは凄い金持ちなんだろうなこの女は
「いやいや、そんなの悪いし、貰ない」
「いいや、貰ってもらうわ。さっき貴方のステータスを勝手に見させてもらったけど、貴方は家を持ってないみたいだし、帰る場所もないようだったからね。お金ももってないみたいだし、この家は家賃もいらないし、私は一応医者としての仕事があるからこの子達を連れては行けないから、貴方がこの子達を育てないといけないというわけよ。この子達は親はいるみたいだけど、何処にいるか分からないし、親を探すにしても住処は必要でしょ」
女はそういって、俺に鍵を渡してきた。
女が家を出ていく前に名前だけでも聞いておこうと思い、俺は女に名前を聞く
「最後にいいか?出来れば名前を教えてくれないか?もし、何かあった時にあんたを探して治して貰えるように」
「いいわよ。私の名前はミラインというわ」
そうして、俺はミラインの名前を聞いて、ミラインからこのでかい屋敷を貰ったのであった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます