人喰い熊 5

熊達は顔を下げて、その熊に敬意を表した。


熊達の目は悲しみが含まれる。


「また人によって、仲間が死んでしまった」


熊の長が言う。


「しかし、もうこれで決着をつける」


ジュは固く拳を握り、主宰者を見上げた。


主宰者は慌てて使用人の首にナイフを突き付けて、奥の部屋に入り、立て篭もった。


「レア、ありがとう。ここまで回復できていれば動ける」


「うん…。でも熊さんが」


「レアは悪くないよ。他の熊達の治療をお願いできるかい?」


「うん…」


レアは目線を下げて、小さく頷く。


レアの涙袋におろろと涙を滲ませる。


「マルは大丈夫?」


マルはジュの首筋から、ぬめりとスライムの姿で現れた。


その姿は丸くて、粘り気と弾力がある。


「はい、あたしは大丈夫です!」


「良かった」


マルは、ぽにょんぽにょんと地面を跳ねている。


次の瞬間、マルは体を縦に伸ばして、人の姿に変化した。


マルは中学生位の女の子になった。


幼さがあるものの、たゆんたゆんな大きな胸、程よい腰回り、ぷりんとした小尻。


女性が憧れるような魅力的な体型だ。


鎧を身に付けている。


「今日は、さっきの兵の鎧を真似してみました! どう?」


マルは両腕を広げて、ジュに見せる。


「どうって言われてもなあ」


「こういう時は可愛いって言わないとレディに嫌われちゃいますよー」

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