第45話 「ミニブタ大行進!!」
『
『
海月の人型異形の触手に触れられしまい
麻痺して動けなくなってしまったミカド達、
トドメをさそうと迫り来る海月の人型異形に
絶対絶命のその時、突然異形は稲妻と共に吹き飛び
ミカド達の目の前には雷を纏う少女と少年が。
「最初の一撃は俺様だって言ったろー!!」
「お……お前……ウズキ……」
「助っ人に来たぞ!!ミカド!!」
「輝義志……先輩……!」
「メグミ大丈夫?」
「レイ……ちゃん……うぅ……」
焔高で別れた者達がなんとかミカド達が
やられる前にたどり着いた。
しかし、そこに雨昵一家と
鬼のアクビとコタロウの姿はなかった。
氷洞ユアサは結埜を殺された事を払拭できず
ミカド達が先に戦っている事を確認すると
そのままどこかに去って行ってしまったのだとか。
そして海月の人型異形を二人の子達は
半妖として覚醒しさらにハオリと同じ状態
『妖気活性』のもう一段階上の覚醒を習得していた。
「にーちゃん達!あとはあたしとユウシンが
この異形をやっつけてやるから休んどきな!!」
「えぇ!!僕とミナトちゃん二人で!?」
「せっかくの再会だし驚かしてやろうよ!!」
「無理だよぉ~!!」
海月の人型異形は気付くと起き上がっていて
こちらをミナトとユウシンの目の前に。
「二人共!!危ない!!」
『
セイヤは光を纏った拳突き出すと
一線の光が海月の人型異形目掛け飛んでいく。
「なに……?」
やはり通用せずにすり抜けるだけだった。
「二人共……早く……技を……」
「任せろにーちゃん!!」
「やるぞぉ!」
海月の人型異形の触手はふわりと動き出す。
『
ミナトの脚部に雷エネルギーが集中し
地面を蹴りあげ上空に飛んでいく。
「えぇぇぇえ!!ミナトちゃーん!!
行っちゃった……やるしかない!!」
『
ユウシンを囲う様に電流が全方位に流れる。
範囲内にいた海月の人型異形は電流をくらい
再生が追いつかず身体が崩れていっている。
「なんちゅー技だ……ミカドの雷よりも
つよいんじゃないか……?」
「確かに……って!まっ、ジンよりは強いけどな」
「あァ?なんだと!?」
「なんだよ?やるか今ここで!?」
ゴツンッ!!
二人の頭頂部にゲンコツが飛んでくる。
「まったくこんな時に何じゃれてんのさ~」
「ア、アカネ……」
「す、すいません……」
「二人とも元気になったみたいじゃん」
アカネの言う通り気づけば普通に
身体が動いていた。
「も、もうだめぇ~」
ユウシンは技を出し続けてエネルギー切れになる
海月の人型異形はボロボロになった身体を再生して行く。
「おっしゃ!!トドメは俺様が頂くぜ!!」
「待てウズキ!!恐らくこいつには
雷系の技しか通用しない、それも雷を纏った
一瞬の技は効きかない、継続的に技を出さないと
あの異形には大したダメージにならない、
俺とジンの攻撃は通用しなかったが、
ミナトちゃんとユウシン君の技を見て確信した」
ユウシンの技が止まった所で上空に飛んで行った
ミナトが空から落ちてくる。
「うっしゃぁぁあ!!トドメの一撃!!」
『
降下した勢いで技の威力を上げて
ミナト渾身の一撃を海月の異形に叩き込む。
地面は激しく抉れ仲間達も吹き飛ばされてしまう。
「ミ、ミナトォ~」
「サヤ姉、みんなごめーん……」エヘへ
「てか、ユウシンはどこ行った??」
「何言ってんのバク兄ユウシンならここに……」
もっとも海月の人型異形の近くにいたユウシンは
ミナトの一撃の衝撃で抉れた地面に埋まっていた。
「ウグゥ!!ッしょっと!!」
ミナトはユウシンを引っ張り出すと
怒り顔で出ててきた。
「ごめん……」
「ミカド……あの異形、打撃で死んだぞ」
「まぁ、俺らとは桁違いの威力だし……」
不穏な空気を感じミカド達は一斉に
アンユの方へ視線を向ける。
するとジンの一撃をくらい死んだはずの
母なる異形が元に戻り歪な球体をボコボコさせながら
みるみる形を変え人型となって再生した。
アナタ……アナタ……
人型となった母なる異形は言語を発している。
ミカド達は異形の異様な圧に身体が
硬直してしまい動けずにいる。
「母なる異形……強い……気をつけて……」
「また人の心配かよ……敵なんだか……
味方……は間違いなくねーな」
「ミカド……悪いが俺はこの勝負下りるぜ……」
「ぼぼぼぼ、僕も無理そうだお……」
ウズキとイチロは恐怖心で戦意喪失し
ほかの仲間達も母なる異形の禍々しい
圧に当てられ容易に死が想像出来てしまう。
それも無理もない事だった。
異形襲来から半月も経っておらず
今まで平穏に暮らして来た人類が急に
世界が様変わりしてよくここまで精神を保ち
戦ってきたものだ。
「ミカド様達もお下がりください」
「ここは私達に任せて下さい」
「ハオリさん!ウタカタさん!俺は戦えます!!」
「そうだぜ!!俺も問題ねぇ!!」
「いや、任せよう……私達は次に控える
あの二人の神を倒さねばならない」
「ユキマサさん……分かりました……」
人型と化した母なる異形と戦う決意をした
『血刀泉鬼ウタカタノヒメ』
『呪幻狐舞ハオリ』
それと……
「私も戦う、今まで護られていた分
借りをかえさないとね」
『火花衣サヤ』
彼女も数日間の異形の進行により
神格覚醒して力をつけていた。
「しゃーなしサヤがやるならうちもやるわぁ」
「あんたは引っ込んでなさいよ!」
「まっ、無茶するあんたを止める位の
役にしか立たないかもね」
『鬼灯アカネ』も立ち上がった。
ゴメンナサイ……ゴメンナサイ……
母なる異形は動き出し背後から
大量の触手が湧き出てくる。
「うげぇ……気持ち悪ゥ~」
「アカネ様油断してはいけませんよ」
「ッシャ!気引き締めて行きますか!!」
『
「今です!!私が異形を縛っている間に!!」
「痛いの行くよー!」
『
アカネの刀身から放たれ大きな火球を受けるが
異形はビクともしない。
「うちじゃダメぇ~?」
「続けて行きます!!」
『
ウタカタの太刀から放たれた
血水の斬撃が異形の身体に当たるが
やはり傷すらつかない。
「私も!!」
『
サヤが放った火からミニブタの形状をした火が
列をなして異形に突進して行く。
「アッハハハハ!!何それ可愛いー!!」
「笑わないでよ!!見てなさいアカネの
技よりは断然強いわよ!!」
母なる異形に突進して行く火のミニブタ達は
次々と炸裂して異形の胴体が崩れていた。
「や……やるわね……」
「アカネちゃ~ん下がっていた方が良くてよ?」
「うっさい!!やるったらやるの!!」
「二人とも的に目を背けないで!!すぐ来ます!!」
母なる異形は再生を待たずに大量の触手を
ウタカタ達目掛け勢いよく放つ。
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