第15話 「単身殲滅!!人類最強父さん!!」

氷洞ひょうどうユアサを助ける為に危険な異形が潜む

火花衣ひばない病院に入るチームと、

新たな隠れ家に先に向かうチームに別れて行動する。


なんとか異形を一点突破して院内に入るが

外に蔓延っていた異形達も一緒に入ってきてしまう。


陽山カズイチの指示で生存者が居る

地下に走り続けていると、

突然院内に強風が吹き荒れると共に

一緒に入ってきてしまった異形共が細切れになる。


ユウタは振り返るとそこには大きな黒い羽を生やした

人型の異形が追ってきた異形を殲滅していた。


襲われる前になんとか地下に辿り着き

生存者の火花衣サヤと往念おうねんヒラノリと合流。


サヤの生み出した複製技術で死んでしまった

ユアサを蘇生する事に成功した。



ユアサを蘇生する事に成功したユウタ達は

先に新たな隠れ家に向かった五黒マサ達と

合流する為に黒い羽の異形に見つからない様に

火花衣病院を後にする。


「いやぁ~良かったですね~、何故か外の異形も

木っ端微塵になってますね~」


「これが例の異形の仕業か……たった一体で

これだけの死体の山を……」

「氷洞さん大丈夫ですか……?」

「大丈夫だ、火花衣のお陰だ……ありがとう」

「あんたに言われると悪寒がして

気持ち悪いわね……」


「なぁ先生よ、そのアタッシュケースには

何が入ってるんだ??移動には向かないと思うが」

タカオミはサヤの持っているアタッシュケースの

中身が気になっていた。


「私の宝物よ」

全員の視線がアタッシュケースに向く。


「期待してる様だけどお金じゃないわよ??

こんな状況でお金なんてただの紙屑でしょ、

私が持ってきたのはこれよ」


サヤがアタッシュケースを開けると

医療の道具や薬などが入っていた。


「なるほどな、こりゃ大事だ」


病院の外に出ると何故かマサ達が遠くから走ってくる。


「おーい!お前らー!逃げろーーー!!!!」


マサが叫ぶとワラワラと異形が追ってきていた。


「なんでお前らがここにいるんだ!?」


「ちょっとな!とりあえず今は逃げるぞ!!おっ!

ユアサ!無事だったか!!さすが!先生だな!!」


「五黒さん久しぶり!!……じゃないわよ!!

こんな事なら病院に居た方が安全だったじゃない!!」


全員、追ってくる異形から

猛ダッシュで逃げ続ける。


「ちょっと待って!!前に誰かいる!!」

マサがストップをかける。


「マサさん!!止まってる場合じゃ!!

……ってなんだあれ!?」

「なんか凄いゴリゴリ……人よね……?」

ユウタとイチカいや、全員が困惑している。


「やむを得ない!!撃つぞ!!」

「おい!!――」

マサの指示を待たずにタカオミは引き金を引く。


弾丸はゴリゴリの人か異形か分からない生物の

脳天目掛けて飛んでいく。


「危ないじゃないでか!」


ゴリゴリの生物は弾丸を素手でキャッチ、

そして止めた弾丸を指で弾くと追ってきている

後方の異形数体を貫通した。


「ぎゃぁぁぁあ!!化け物だぁぁぁあ!!!!」

「なんだお!!新たな人型の異形かお!!

チートだお!!チート生物だお!!興奮するお!!」


――シュタッ


ゴリゴリ生物は一瞬で近づいてきて

騒ぐウズキとイチロの肩に太い腕をかける。


「安心して下さい、私は人間ですよ」


「ひやぁぁぁあ!!!!助けてぇぇぇえ!!!!」

「――――」

叫ぶウズキと固まるイチロ。


五黒一家の面々が銃口と切っ先を自称人間に向ける。


「あなた本当に人間……?」

「えぇ人間ですよ、少し鍛え過ぎましてね」


「お前のせいで異形に追いつかれたじゃねーか……」

「それだけの武器があるのにこの怪物から逃げる

必要があるのですか?」


「弾薬は無限にあるわけじゃねーんだよ

逃げれる時は逃げねーとな」グビッ

「かなり酔っているようですね、大丈夫ですか?」

「俺は飲んでねーと調子が悪くてよ~、飲んだ方が

銃弾を正確に撃ち込めんだよ」グビッ


「異形共は俺達の問答を待ってくれそうにない様だ」

「それでは、あなた達は私のサポートを

お願いしてもよろしいですか」

「サポートって素手で行くつもりか!?」

「心配ご無用です!伊達に鍛えておりませんので!

それと、私は『愛美希あみきアキラ』と申します、では!」


そう言ってアキラは異形の群れに向かっていく。

その戦いはとても人とは思えない光景だった。



球状の異形を素手で握り潰し

ヒルの異形を踏み潰し

鳥型の異形を一蹴りで息絶えさせて

大耳の異形は顎から真っ二つに引き裂き

槍爪の異形の腕をもぎ取り

人型の異形の剣はアキラの肉体に通用せず

最後に残ったマサ達が苦戦した大顎の異形も

全力のパンチを背中に叩き込み体内のコアを破壊。


数百体いた異形の群れはたった一人の人間により

殲滅されてしまった。


「ふぅ~、片付きましたね!援護ありがとうございます!

さすがに疲れました!アッハッハッハッハッ」


「俺達何もしてないけどな……」

「あぁ……見てだけだ……」

「こんな怪物みたいな人間いるんだね……」

「ハハ……笑えら……」グビッ

唖然とするタカオミ、ユアサ、結埜、バジオ。

ユウタ達も口を半開きにして唖然とする。


「もしかしてお前どこかの所属か」

マサはこんな化け物が一般人な訳が無いと思い

反体制組織の神黒鳥からすか大陸防衛軍の女神鳥ふくろう

所属ではないかと質問した。


「所属?私はただの一般人ですよ、大事な一人娘を

護るために鍛え過ぎてしまっただけです」


「そ、そうか……心強い仲間が出来たな」

「その娘さんの姿が見えませんが……」

結埜は不安そうに聞く。


「娘は安全な所にいますよ!ご案内します!」


やっと求めていた場所……安全な場所に行けると

みんな安堵してアキラに着いて行く。


「そういや五黒、なんで引き返して来たんだ?」

紫九雷しくらの隠れ家もやられてた……

他の隠れ家も怪しいな……」

「となると、幾つかのチームも壊滅してるな……」

「あぁ、神黒鳥も終わりかもな……」


直ぐに目的の場所にたどり着く。


「あっ!父さーーーん!!」

「ミナトーーー!!ただいまーーー!!!!

紹介します!!私の一人娘のミナトです!」

「こんなに生きてる人いたんだ!私は小学生六年生!

愛美希ミナト!よろしくー!!」


一同は満面の笑みでVサインをするハツラツな

女の子に癒される。


娘も父親の影響を受けていると思ったが

細い身体でボーイッシュな普通の女の子の様だ。


そして安全な場所と言われて着いてきたが

そこは河川敷で建物はなくどこが安全なのか

全く理解出来なかった。


「ここのどこが安全な場所なんでしょうか……?」

ヒラノリはアキラに問いかける。


「一見何も無いのですが、何故か怪物……

異形でしたっけ?が近づいて来ないんですよ

理由は分かりませんが」


「なるほどですね~」

「何、一人で納得してないで説明してよ!」

サヤが何故か一人で納得してるカズイチにツッコム。


「これは憶測なんですけどね~この川って

八蘇木山やそぎさんから流れてる川なんですが、

もしかしたら神聖な場所には何らかの力が

働いて、異形が近づけないのかなぁ~と

実は僕、本名は『陽山河神瞳院ひやまがわしんどういんカズイチ』って

名前でして、神主の息子なんですよ~

なんで少~しその辺も齧ってるんですよね~

僕のこの目も神からの授かり物らしいので

信憑性少しはあるかな~と」


フムフムと頷くヒラノリ。

「それが本当なら八蘇木山に行けば

より安全かもしれないですね」


「八蘇木山なら俺の実家なんで山頂にある

じーちゃん家まで案内します!」

「良かったねユウタ!この話が本当なら

おじいちゃん無事かもね!!」

「あぁ!!」


ユウタ達は異形が近づかない神聖な川を辿り

より安全かもしれない八蘇木山に向かう事に。

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