知らない街



最初に会社から、遠方へ出張と聞かされた時は実は少し楽しみな気持ちでした。住んだ事の無い街に3ヶ月1人で住む、不安な気持ち半分、どんな事が起こるんだろうとワクワクしていました。


例えば、飲み友達が出来たりするかなぁとか、どんな街なんだろうとか、半分旅行気分でした。



ところが、実際A県へ行ってみると支店では最初はよそ者扱いで、1人で出掛けようにも出不精の私は一回近所の居酒屋に1人で行ってみたきりしばらく出掛ける事は有りませんでした。


休みの日も、友達にも会えない。家族にも会えない。仕事が終わって、会社が用意してくれた寮に帰る日々。暗い部屋に着いた途端、寂しくて泣いてしまった事も有りました。


今までずっと当たり前に、地元で友達や家族の側で過ごして来たので、自分がこんな事で泣くなんて思ってもいませんでした。1週間でもこんなに長いのに3ヶ月なんて絶対無理だと思っていました。


そんな日々がしばらく続きましたが、最初はよそ者扱いだった支店の人達ともだんだんと打ち解けてきた頃、特に私と仲良くしてくれたのがめぐちゃんでした。


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