七通目のお手紙
あなたへ
「最近、立っているのも、立ち上がるのも辛くって」
元々、手や指、足がスラリと細くて、華奢な印象はあったんです。でも、いま思うと、そんな風に話していた随分前から少しずつ、あなたの身体の中では戦いが始まっていたのでしょうね。
起き上がることが出来ず、救急車で搬送された翌々日に一次帰宅したあなたは、私に病名を教えてくれました。
「治療方法はまだ確立されてなくて、進行を遅らせる方法があるだけ。
どうしよう。私、もうソロキャンも乗馬も出来なくなってしまった……」
そう言って、泣いていたあなたを、私はどう元気付けたら良いのか、わかりませんでした。頬を伝う涙にそっと瞼を押し当てて、あなたと一緒に泣きました。
日に日に痩せ細っていくあなたに、私がしてあげられることは、ほとんど無くて。それから数日とたたず、寝たきりになってしまったあなたのそばに、私はただ寄り添うばかり。
それしか、私には出来ませんでした。
またね
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