謎の村

私はシオノマ カホ


美術家だ


絵を描いて売っている


或いは閲覧回数で通貨を儲けている


それで暮らしている


苦ではない


閲覧をしてくれる人は何気に沢山いるからだ


私も見てくれる人は大好き


絵を描くって素敵なことよ


自分の感性を自由に表現できるもの


絵を描くって良いことよね


昔から絵を描くのは大好きで


隙あればすぐに描いていた


いえあ!


今もこうして描いている


それが私の絵の描き方


気分の赴くままにってこと


もっと描いて、私の芸術をみんなに見て貰いたい


すると外から鳥がやって来た


部屋の中に入ってきた


ここは自分の自室だ


すると私の描いていた絵にうんこを落とした


私はその鳥が許せなくて、鳥を掴んだ


離さないわよ。私の作品を台無しにしたんだから


すると鳥が飛ぼうとする


ダメよ


すると鳥が飛んだ


私の体も浮いたのだ


!?


鳥ってこんなにも力が強い生き物だったか


私を浮かせていく


そしてそのまま飛ぶ


飛ぶ


そんな


私を持ったまま飛んでる


何て事なの


夢かしら


いやそうじゃない


鳥は私を掴ませたまま飛んでいく


どこへ?


どこへ行っているの


鳥は飛んでいく


どこへ


鳥は飛んでいく


どこまでも


私は捕まっていなくては落ちてしまう


鳥は見知らぬところを飛んでいる


手が疲れてきたけど落ちるわけにはいかない


落ちてはいけない


絶対に


こんなに高いんだもの


どこへ行こうかしら


ちょっとこの鳥コントロールできそうよ


力を入れてみるができなかった


この鳥普通じゃない


ん?


普通じゃない......?


ということは


訳あり


かな


ふと、あることに気が付いた


私の手が離れないようだ


これだと離そうと仮にしても離れない訳だ


ところで鳥は今、山を飛行中だ


良い風景だ


こうして山の上を飛ぶのもいいものだ


私は考えることをやらないことにした


それで良い気がした


ーーーーーーーー


ーーーーーーー


ーーーー


ーーーー


ーーーー


ーーーー


暫く飛行をしてだ


私はぼんやりしていた


下は山々だ


大自然の風景だ。素敵


鳥は下に急降下した


えっ!?


鳥は下に落ちる


この山の中のどこに用があるんだ


するとどんどん下に降りていき


山の下に見えていた村の様な場所に降りた


村だ


今のご時世に、村


今の時代にこの様な場所があったのかと感銘を受けた


まるで昔の時代をテーマにしたファンタジー世界の様で美しかった


中世の美しい村の様だ


ここはどこ


鳥は私を下ろしてどこから飛んでいった


美しいは良いが


私はここで何をすればいい


取り敢えず、村の家の人に聞きにいってみよう


適当にお家に行ってみて声をかける


私「すみませーん。」


すると何も返事がない


次のお家へ行ってみる


私「すみませーん。」


また返事がない


次のお家へ行ってみる


私「すみませーん。」


すると中から物音がした


暫く待ってみる


すると中から人が現れた


その容貌に驚いた


服が昔風だ


布の様な服を着ている


何百年前の日本だろうか


布の服は良いのだが、それこそ何も便利性の無い布の服なのだ


防水機能や防火機能、汗だし機能も何も無さそうな感じだ


私「こんにちは。私、迷ってここの村に来てしまって。」


するとその人は喋る


「ーーーーーーーーーーーー」


えっ?!


何を言っているのかよく聞き取れなかった


「ーーーーーーーーーーーー」


? ?


「ーーー ーーー ーー」


どうやら言葉が通じないようだ


私も言葉が分からない


聞いたことのない言語だ


そもそも同じ日本でどうしてここまで変わった言語が話されているのか


「ーーーーーーーーーー」


参ったものだ


何を言っているのか全く分からない


するとその人は隣の家へ行った


するとその家の中から人が出てくる


その人と言葉が通じない人と話している


すると話された人は次の家に行き


何かの声を発した


すると中から人が出てきた


そしてその人は家の人に話している


すると話された人は次の家に行き


同じことが何度も繰り返された


すると軈ては私の周りに人だかりが出来ていた


何だろうか


するとその中で一番服の模様がある人が私に話しかけてきた


「ーーーーーーーーー」


分からない


全く分からない言語だ


ジェスチャーが通じるかどうかも分からなかったので


私の言葉で話した


私「ごめんなさい!何を言っているのか分かりません!」


すると人々は黙った


すると模様のある人は私のことをじーっと見つめる


何かな


うーん


こればかりだ


見られてばかり


するとその人が「ふーん」みたいな感じの発音を優しくした


その顔は笑顔だ


恐らくだが、私を安心をさせるために言っているのだと思う


「ここはいいところよ。」的な


私も同じく優しい声で「ふーん」と返した


笑顔で


するとその人も笑顔を更に笑顔にした


どうやら通じた様だ


嬉しい


心が通じるとはこんなにも嬉しいことなのか


言葉が通じない中なのでかなり嬉しかった


するととある方向から声が聞こえてきた


「ーーーーーーーーーーーー」


分からない言葉だやはり


その声は聞き心地が良かった


低くて、太くて、綺麗な声だ


その声の主の人が来た


その人は人々を通ってこちらに来る


その人の容貌に心が止まった


美しい男性でただただ


見惚れていた


ただ美しいのではないのだ


まるでこの命のある世界にある存在とは思えないのだ


その美しさにただただみられていることしかできない


言葉が出ない


ただ見ていることしか


するとその人は私の近くまで来たようだ


そして話しかけてくる


「ーーーーーーーーー」


分からない


分からないのだが


美しい


私はその人の真似をした発音をするしかなかつた


私「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


するとその人は目を丸くした


その丸くした表情も見惚れる


世の中の今まで見てきたどの芸術品も彼には敵わない


宇宙人か天から来た人かこの人?


するとその人は喋る


「そうか。貴方はそこから来たのか。その服装的に私と同じところから来たようだ。」


! !


こ、言葉を


喋った.....!!


感動をした


私はうんうんと頷いた


するとその人は喋る


「ここはな、貴方が来るべきところではなかったんだ。何故だ.......」


その人は考え込む


私「何か、私の部屋の中に鳥が入って来て、描いていた作品を汚されたから捕まえたら、飛んで、私も飛んで.....」


私は何を言っているのか分からなかった


するとその人は笑顔で「そうか。災難だったな。鳥か。なるほど。」と言った


「鳥、か。それは体が紫と黄色の縞模様をした鳥ではなかったかな?」


私「ええ!そうなの。」


「そうか.....。」


その人は何かを考え込んでいる


私「あの鳥を知っているの?」


「いいや。知らないよ。」


私「そう、なのね。鳥が私をここに連れて来たの。」


「あぁ。何かと困らせてしまったな。元の場所へ返してあげたいが、今のところは何もその方法が浮かばない。」


私「そうかあ。いいのよ。お兄さんがいるから。」


「そうか。俺が何とかする。帰れるまで、待っていてくれ。」


私「ええ。待っているわよ。」


するとその人は人々へ何かを喋る


人々は家の中に戻る


「俺はアラルと言う。宜しく頼むよ。お嬢さん。」


どきり


私「宜しくお願いしますー!」


かっこいいお兄さんに言われると嬉しいね


アラル「この村は君も気が付いているだろうが、現代ではない。そして、環境も整ってはいない。俺の家に連れて行く。そこに暫くいるんだ。」


私「え!ええ!」


かっこいいお兄さんの家


いいじゃん


お言葉に甘えて行くことにした


気候は暖かい


家はすぐに着いた


ここが、お兄さんの家の中


設備は昔風に整っていた


火焚きも氷も水も入れ物もある


良いじゃん


アラル「ここで好きな様に過ごせ」


私「はーい!」


アラルさんは家を出る


私が残る


そういえばアラルさんを見た時のあの感じ


どこかで同じ感じの経験をしたことがある様な気が


気のせいかなあ


家の中を見てみる


昔なりに色々と整っている


素敵だ


にしてもここはどこの世界だろう


26世紀の日本とは思えない


今時こういう生活は


山の中だからだろうか?


かもしれない


昔すぎる気もするが


今だから流石になあ


まあ、ここでまっていよう


部屋の中のものを見ることにした


入れ物の中


お兄さんが着る物


小物


手鏡もある


あ、これ、髪の毛を梳かす道具だ


色々ある


充実してる


さて、お次は何が入っているのかな?


次の入れ物を開けようとした


後ろから声が聞こえた


出口だ


家の中を出る


天気が雨が降っていた



こちら26世紀では好みでしか降らない様な感じだから


みんながああして濡れるのを防ぐために家にすぐ戻るこの光景は新鮮だった


昔はそうだったらしいし


そうか、雨


ザーザー降り出して来た


雨はずっと浴びていなかったな


どれ、浴びてみるかな


私は雨を浴びる


体が濡れて心地が良い


すると向こうから人がやってくる様が見えた


いいやあれは人じゃない


猿だった


大きな猿


人くらいありそうな


それがこちらに来る


来た


猿「ーーー ーー ーーーーー」


相変わらず、何を言っているのか分からない言語だ


すると猿は突然私の体を持ち上げた


そしてどこかへ向かった


どこへ向かっているのか


猿は私を担ぎ、何処かへ行く


どこだ


走って行く様だ


どこへ


この雨の中、何だろうか


猿は走り続ける


私をどこへ


どこへ


すると軈て、山の出口の様な場所に着いた


帰れるのか


帰れる


帰ろう


そこで猿は私を下ろした


「ありがとう!」というお礼の言葉を言おうとした


すると猿の頭が飛んだ


飛んだ


そのまま地面に落ち


血が噴出している


何故だろうか


とにかく、私は山から出ることにする


足を踏み出そうとした


すると前方から黒色の筋肉質の何かがこちらに来ている


その不気味さにゾッとした


踵を返して後ろへ戻る


雨の中だから一層不気味さが増していた


困ったものだ


結果的に、村へ戻ることになってしまった


かなり走る


走る


走る


戻ってしまった


すると村の中にアラルさんがいた


村の中に1人でいた


アラル「おかえり。この雨の中、どこへ行っていたんだ?家の中に入ろう。」


勿論だ


私はアラルさんの家の中にまた入る


やはりアラルさんはいつ見ても美しい


アラル「そういえば、名前を何と言うんだ?」


私「私、カホと言うの。」


アラル「カホか。宜しくカホ。火を焚くから、それで乾かせ。」


私「助かる!」


私は火を借りる


服は乾いていく感じがした


乾いていく


そしてアラルさんが私に身の回りのことを色々してくれた


濡れた私を乾かさせてくれることごとだ


そういえばアラルさんは


私と同じ世界出身ではなかっただろうか


確かそう言っていた様な気がするが


気のせいだろうか


聞き覚えを間違えているのだろうか


それにしても、よく見惚れる美しさだ


見ると人外の様な感じがしてならない


アラル「夜も更けてきたことだし、飯にするぞ。」


私「うん。食べたいな。」


アラルさんはご飯を作っているようだ


私は待っている


ご飯が楽しみだ


すると家の中に誰かが入ってきた


「ーーーー ーー ーーー ーーーーーーーーー」


アラル「ーーーーーー ーーーー ーーーーーーーーーーー」


すると来た人は何かを理解して帰っていった


私「今の人は」


アラル「あぁ。何でもないよ。少し前に、村に猿がやってきたそうだ。」


私「猿?」


アラル「あぁ。この村には偶に猿が来るんだ。その度に物を盗まれたりして厄介なんだ。」


私「あらら。」


猿に担がれたことを思い出した


そういえばあの猿は私を急に担いで山の出口で私を下ろした


あれは一体なんだったのだろう


結果的に死んでしまったが


暫くのんびりしていると


ご飯が出来上がって


食べることにする


アラルさんと一緒に


何だか夫婦みたいで嬉しいなあ


ご飯を食べる 食べる


美味しいんだ


アラルさんの作るご飯美味しい


食が進む


いいことだ


すると、辺りはすっかり暗くなっていた


アラルさんが光をつけていた


綺麗な灯火だ


アラル「食ったら寝るといい。それとも、暫くの間、何かあるか?」


私「うん。お話がしたいなあ。その後で寝るよ。」


アラル「いいだろう。何か話そうぜ。」


私「うん。」


私達は何気ない話をした


私「そういえばアラルさんって私と同じ世界線の出身なのよね。」


アラル「ほう。何故知っているんだ?」


私「えっ?私に話してくれたじゃない。」


アラル「話したことがないぞ。確かにそうだがな。」


? ?


私「私の記憶違いだろうか」


確かに言っていた様な気がするのだが


だとしたらどうしてアラルは


そのあれこれを考える前に雷が落ちた


大雨なのだ


大雨


ザーザーと


アラルは外を見て何かを考え込んでいる


にしても本当に長身である


彼は村中の人たちの中で一番高いようだ


アラルさんは少し怪しいかもしれない


何故、自分のことを言わないのだろう


だが、それ以上に見惚れていた


何か変だと思いながら


こうして私を助けてくれた


私は帰れる


帰れる


そう思いながら


これから寝ることにした


アラル「寝るのか、カホ。」


私「うん。寝る。また明日に。」


アラル「そうか。おやすみ。」


私「アラルはまだ寝ないの?」


アラル「俺はもう少し起きている。考え事をしている。」


私「そうなのね。無理はしないでね。」


アラル「ほう。ありがとう。またな。」


私「またね。」


ーーーー


ーーーー


ーーーー


ーーーー


ーーーー


ーー


目が覚める


あぁーよく寝た


アラルさんがいない


どうして


朝ご飯が隣に置かれていた


ありがたい


私は朝ご飯を食べた後


外に出た


すると広場の様なところで人々が何かをしていた


会議か


あの模様の多い人が前に立って何かをみんなに話している


相変わらず言語は分からない


何だろうか


すると模様の人が私に気付き


ジェスチャーでこちらに来る様にした


私は行く


すると私の目の前に昨日のあの猿の顔が置かれた


何故だろうか


すると模様の人がジェスチャーで手に武器を持ち、猿の首に当てて切る動作をして、手を私に指し「これをやったのは貴方か?」というようなジェスチャーをしてきた


私は返答に困った


そのままはいとすれば嘘だし


いいえとすればいいかなあ


がっかりされたくないけどね


「いいえ」というように首を横に振った


模様の人は考え込んだ


そして村のみんなに話しかける


村のみんなも考え込んでいる様だ


すると広場の向こうからアラルが現れた


美形だ


そして模様の人と話す


すると模様の人は何かを納得した様だ


そして私の肩を優しく叩き


広場のみんなに何かを叫んだ


横目に見えているアラルへ話した


私「アラル。これは何」


アラル「カホが猿に連れていかれたのではと話題になっていたようだ。だがその猿の首は切り落とされていた。それを行ったのはカホか?とされていたんだ。」


カホ「え!私じゃないよ。何か、切り落とされていたの」


アラル「そしてだ。お前は猿に連れていかれたのか?」


カホ「そうなの。」


アラル「なるほど。昨日の夜にああいう感じだったのはそれでか。油断ができないな。」


カホ「あとね、もう一つ何だか変な人も見て」


アラル「変な人?猿の他に誰かいたのか」


アラルさんは疑問に思って聞いてきた


カホ「うん。筋肉質の男の人かな多分。真っ黒で。」


アラル「そうか。その者に何かをされなかったか?」


私「ううん。私は特に。」


アラル「そうか。なら良かった。俺の家に居ろよ。」


何だか嬉しかった


私「うん。」


アラル「これからカホが無事だったことへのパーティが開かれる。お前も楽しめ。」


私「うん。」


アラル「にしても、不思議だな。では誰が猿を殺したのだろうな」


アラルは考え込んでいた


あの筋肉質の男では?


そしてパーティが開かれた


あまりにも楽しさである


私は何処かへ行くことにした


何気なく、気の赴くまま


すっかり雨も上がったな


そのままパーティを抜ける


みんなにはトイレへ行くというのをアラルに翻訳させておいた


私は抜けて


森の中にいる


そうして暫く歩いていると


湖についた


綺麗だ


青々しく、キラキラと輝いている


綺麗だ


見惚れるな


もう暫くここにいたいかな


すると湖の中から何かが上がっているようだ


何だ


それは上まで来て


上がった


巨大な魚だった


口を大きく開けて私を食べようとしている


私は逃げる



下の足に躓いて転んでしまった


すると魚が私を食べようとしてこちらに落ちてくる


私は直ぐに起きて逃げる


村の方へ


アラル、助けて


その思いがありながら村へ走る


走って 走って


走って 走って


走る


走る


すると村が見えてきた


助かった!


希望の光だ


アラル、助けて


私は村へ駆ける


駆ける


駆ける


駆ける


すると村の目の前まで来れた


戻れた!


すると目の前に猿が現れ


私の体を持って


どこかへ走って行く


魚の方向ではないが


折角逃げてきたのに


どうして捕まってしまったのか


私は悔しくなる


猿に捕まってしまった


私は諦めてきた


仕方がなかった感じだ


猿に担がれたままどこかへ行っている


何だか涙が出てきた


折角帰れると思っていたのに


また攫われて


自分の滑稽な運命に涙が出た


笑うしかない


猿は走る


走る


走る


すると前の方に人がいて


その人に私の腕を掴まれた


?「ようし。よくやったぞ。猿。」


すると猿は私を下ろし


その人が私の腕を引っ張った


?「走れ」


そう言われてその人について行く様に走る


風貌を見ると美青年だ


アラルほどでは無いが、とても美しい美青年だ


何だろう


猿が、私を攻撃しなかった


下ろした


そしてこの人といる


なんだろう


私「私、村へ戻らなくちゃ!」


?「分からないんだな。そこから逃げるんだよ」


村から?


そう言えばこの少年は私の世界の言葉を話せている


服装は和服だが


村には馴染まない様な感じの和服だ


未来的なのだ


私はその人と一緒に走る


どこへ向かっているのか


?「向かっているのは山の出口だ。そこまで行けば、この世界から出られる。」


そうなのか


何か疑問に感じながらも走る


とても走る


走る


走る


すると暫くすると山の出口が見えてきた


あの出口だ


そこが近づいてきて


その山の出口を出た


すると少年は走るのをやめた


?「ふっ!無事に、出れたぞ。」


私「でれたのね。良かった!」


私は安堵をした


私「何か辛かったわよー。さっきは魚に食べられそうになるし。」


?「あぁ。あれはな、俺が仕込んだんだ。あれもお前の味方だよ。」


私「えっ!?私の、味方」


?「そうだよ。誤解をさせてすまなかったな。あれに食べられると、自然と俺のところへ転送されることになる。」


私「なるほどね。なら逃げなきゃ良かったんだ最初から」


?「そういうことだが、すまない。」


私「いいのよ。ねえ、何であの村がダメなの?」


?「ちなみに言うなら猿もそうなんだぞ。俺の配下だ。お前を助けようと試みていたんだ。それが、一人亡くなってしまったがな。」


私「そうなのね。あの村は」


?「そうだ。黒だよ。」


私「黒」


?「あぁ。あの村で何をされていた?話してみせな。」


私「確か、保護をされたのよ。美味しいご飯ももらって。」


?「そうなのか。美味しいご飯。」


彼は何かを考えている


?「あの村、というか あの山の中はそもそも別の世界線だ。昔の日本の歴史にも無かった、別の世界線上の昔の日本だ。」


私「別の世界線の昔の日本.....?」


?「そうだ。あの世界線の日本は存在していない県が存在することになる世界線だ。」


私「へぇー。あれっ?」


ふと思った


アラルは猿は村の窃盗をすると言っていた


しかし猿は実際、彼の配下だった


何かおかしい


別の猿だったのだろうか?


しかし、私を彼の元へ連れて行ったあの猿も死んだ猿と同じように大柄だった


体質も同じ感じだった


これはどういうことか


私「ねえ。あの村は黒なのね?」


?「そうだ。」


私「あの村の目的って」


?「................その推察を言う前に、話をしておきたい。俺はスバルだ。宜しくな。」


私「スバルくんね!宜しくね。私はカホ。」


スバル「カホ。無事に帰って来れて良かったな。」


笑顔だ


美形なので破壊力がある


素晴らしい


私「あのね、死んだお猿さんね、村の中の一番偉そうな人が、あの死んだ猿は村を襲う猿だと言っていたのよ。」


スバルくんは顔を引き攣らせた


スバル「そうなのか!その人はどんな人だった?教えてくれ。できるだけ、精細に」


私はアラルのことを鮮明に思い出した


あのとてつもない美しさ


スバルの美形が霞む


私「とっても、綺麗な男の人。背も人では無い様に高かったね。」


スバルは考え込む


スバル「その人の名前は」


私「アラルさんと言うの。」


スバルさんは考え込んでいる


スバル「...........その人はそう言ったということは、その人はこちらの世界線の人か。」


私「そうだと思うんだけど、本人はそうでは無いと言うのよね」


スバル「嘘に決まっているぜ。ここの世界線の人だよ。」


私「そうだと言っていた様な気もするし、私の記憶違いかもね。」


スバル「その人はこちらの世界線の人だよ。そうだと言っていた筈を変えて言っていたのか。それは恐らく、やはり感覚で覚えているのか。」


私「いいえ。覚えてないかもしれないの。」


スバル「あぁ。分かってる。カホ、ちょっといいか?もう一度、あの村に戻ろう。今度は俺たちも一緒だ。」


私「スバル達も一緒なら安心かな。達って?」


スバル「俺の配下達だ。」


スバルは何かを念じた


すると彼の体からオーラが出て


何かが出てきた


二つ出てきた様だ


どちらも黒い


丸い球と


筋肉質の男だ


この筋肉質の男は


スバル「お前は彼を知っているだろう。彼はショウジョウ。お前を助けようとしていたんだ。それが風貌のせいで逃げられてしまったがな。」


ショウジョウ「あの時はお助けしたかったです。」


そうだったのか


私「ごめんなさい。そうだとは知らなかった。」


すると隣の丸い黒球が喋った


「そうだよー。ショック受けてたよショウジョウー。スバルさまが、このお山で人が迷い込んでしまったと言っていた人からの連絡を受けたんだよー。それで、助けにきたのー。」


スバル「彼は黒という。」


黒「宜しくねー。カホさん。」


私「宜しくね。みんな。」


スバル「ようし。では、これからみんなで村へ行くぞ。」


私達は再び、あの村へ行く


緊張感が走る


アラルは今どうしているのだろうか


再び山の中に入り


歩く


私「ねえ、その伝えてくれた人って、この近辺の住人さんなのかな」


スバル「そうだぜ。お前がこの山の中に入って行ってしまうのを見たと言う人がいたんだ。」


私「つまり、この山は最初から怪しいのね。どうして誰も何もしないのかしら」


するとスバルは突然顔に影を落とす


スバル「....................」


私「スバルくん?」


スバル「.............」


黒「うーんと、うーんと」


みんな考え込んでいる


スバル「多分、この山はおかしな住人の住処で檻みたいなものだから一切触れてはいけないと教えられているのだろう。」


ショウジョウ「そのとうりでしょうね。」


みんなは答えた


その顔は知った様な顔をしていた


私「その山の中に入って行った私を止めようとして通報してくれたのね。」


スバル「そういうことだ。」


私「みんな、顔色良くなさそうにしていたから何かなって」


ショウジョウ「それはまあ、少し前に同じく山の中を題とした事件がありましてな。その事件は結局は事件を起こした張本人らしき者が何も反省をしなかったことによるショックが今でも引きずっておりましてだな」


スバル「おいショウジョウ。あまりベラベラとしゃべるなよ」


黒「そ、そうだよショウジョウー。そこはまあ、個人的な事だからあんまり気にしないでね。」


私「何か闇があるのね。おっけい。触れないでおくわよ。山の中を進みましょう。」


スバル「そうしてくれ。俺たちは安心できる人たちだからな。」


私達は山の中を進んでいく


村へ戻るために


歩き


歩き


歩き


歩く


私「そういえばあの魚はどうなったの」


スバル「そいつは既に俺の中だ。猿達も、俺の中だ。俺の中にしまって置いている。」


私「なるほど。スバルくんって何者」


スバル「俺のことは今は隅に置いて置いた方がいいぞ。」


私は隅に置くことにした


そして歩き続ける


歩く


歩く


歩く


歩く


すると遂に見えてきた


あの村だ


私「あの村みたいなのがそうよ。あれが、そうなの。」


スバル「あれか。ようし。」


黒「スバル様、一応、気を付けて置いたほうがいいよ。」


ショウジョウ「私もそう思います。スバル様。」


スバル「あぁ。分かっているさ。」


スバルは汗をかいている


緊張のようだ


私達は村へ入る


するとみんながこちらを見る


村の人々だ


そしてこちらへ駆け寄ってくる


「ーーーーーーーーーーーーーーーーー」


私「気を付けて。この人たち、何を言っているのか分からないの。」


スバル「あぁ。分かっているさ。」


するとスバルは何かを念じる


するとスバルの体から光が出てきて


それが世界に瞬時に放たれた


スバル「なあ。この村の一番の偉い人は誰だ?」


すると


「アラル様だよ。次に偉いのが、シンモン様という方だ。君はここの村の住人では無いよね?そちらの女性、カホさんは今のところはこの村の住人だがね。」


! !


しゃ


喋った.......!!


スバル「そうか。その人達に会いたい。」


「その前に、君は何者だい?服装も変わっているしね。」


スバル「あぁ。俺はこの村へ観光をしに来た者だ。カホさんが俺を誘ってくれたんだ。」


「あぁなるほど!カホさんのお知り合いさんか。良いだよ。今から合わせるから、少し待っていておくれ。」


その人はどこかへ行った


私「ねえ、その魔法、私も話せるの?」


スバル「あぁ。話しかけてみろ。」


ちなみに、ショウジョウくんと黒くんは彼らには見えていない


そういう生物だからだ


私「ねえ、ここは日本なの?」


するとみんなが驚いた


「おやお嬢さん!言葉が話せたのだね!そうだよ。ここは日本だよ。」


スバル「ほーう。全く言語が異なっているのに同じ日本だったとは、流石異世界だな。」


私「うん。そうだね......。昔の日本とは言え、全く言葉が違っていたもんね.....。ねえ、ここは何県なの?そして、年号は、何?」


「ここはガノマラ県だよ。ネンゴウとは、何だい?」


! !


本当に異世界だ


私「ガノマラ県なのね、そうなのね。ネンゴウと言うのはね、そういう言葉が街に付いているという噂を聞いていたの。無いのね。そうか。」


「うん。ガノマラだよ。ネンゴウというのは聞いたことないなあ。」


私「そうか。ありがとうね。」


ねえスバルくん、と耳打ちをした


何だ?と答える彼


私「いつから私達は異世界に入っているのかしら。あの山の入り口に入った時からかな」


黒「そうだよー。お山から出たら元の世界だよー。26世紀の日本。僕たちの知る世界。」


スバル「この山の中だけが異世界に繋がっているんだ。」


私「そうなのね。それは、どうしてかしら」


スバルくんたちはまた顔に影を落とした


私「あ、いいのよ別に。言いたく無かったら。」


スバル「恐ろしい力が働いているからだ。」


私「なるほど」


黒「うん。そうだよ多分。」


ショウジョウ「取り敢えずは、私達がここに来たのはカホさんでここの村の人たちと話してみたかったからなのです。」


私「なるほど。調査かな?」


ショウジョウ「さよう。調べてみたかったのです。」


スバル「あぁ。この山のことをな。異世界に通じているとは気になるだろ?」


私「うん。確かに。」


スバル「それに対しては挑みたい。調べを。俺の力で解決する為にはどうしたら良いのかを知りたい。」


私「なるほどね。」


スバル「俺たちは今、待っているんだ。」


私「何を?」


黒「あ!今来たよ......!」


その人達は来た


模様のある服を着たシンモン様と


アラルさんだ


「こちらのお方たちです!」


シンモン「あぁ。ありがとう。お嬢さん、おかえりなさい。待っておりましたよ。」


私「あ、はい。ただいまです。」


シンモン「おや。言葉を話せるのですね。嬉しいです。そちらの方は」


スバル「俺はこの村へ見学をしに来た者だ。スバルと言う。宜しくな。」


そういえば村中の人たちがスバルに見惚れている


ふむふむ


シンモン「観光ですか!それは良いでしょう。こちらは何も無いところですが。山と川しかありませんよ。観光にはあまりよろしく無い場所と思いますが........ ねえ、アラル様、いかがいたしましょう。」


アラル「良いのではないか?観光ならば。ただ、何も無いのであまり勧められないが。」


スバル「ありがとうございます。そして、シンモンさんと、アラルさんとお話しをしたいことがある。カホと一緒にだ。」


シンモン「ふむ。私は良いですよ。アラル様は」


アラル「俺も構わない。」


私達は広場で私達とあの二人になる


シンモン「話とは、何かな。スバルくん。」


ショウジョウたちも何気にいる


スバル「カホはここの村に来た時、何かを感じたようでした。まるで自分の知る世界とは異なる様な」


私「はい。」


シンモン「そうだろうね。こちらの言葉を話せていなかったからね。今は話せているよね。一体どうしてだろう?あんな短時間でそこまでの言葉を話せるようになったとは思えないし」


スバル「それは理由があります。それをお話する前にお話をさせてください。カホさんは襲われたそうです。猿に。」


シンモン「そのようだったね。しかしその猿は首を切り落とされていたよ。」


スバル「そこなのです。何故、カホさんは襲われてしまったのでしょう。」


シンモン「あの猿は色々なものを盗むからねえ。カホさんも見なかったから攫ってしまったのだと思う。」


スバル「なるほど。その猿の首を落としたのは誰なのでしょう?」


シンモン「多分、山の中を散歩をしていた者だろうね。」


スバル「なるほど。」


ショウジョウさんなのでは?


そう思ったけど言うのをやめた


スバル「あの猿は村を襲っていたのですね?」


シンモン「そうだよ。よく襲ってきていて、とても困っているんだよ。」


スバル「なるほど。その割には、村は平和そうにしている様に見えますね。」


するとシンモンさんが不意を突かれたような顔をした


シンモン「..............」


シンモン「それはそうですよ。基本的には平和な村ですからね。」


スバル「はい。平和です。偶に見えている人々の青い表情以外は。」


シンモン「.............. それはそうですよ。だって........」


すると隣のアラルさんがその言葉を噤んだ


アラル「もういいだろう。シンモン。よく頑張った。」


シンモン「アラル様?」


アラル「俺が、彼らと話す。お前は家に帰っているんだ。お疲れ様だ。ゆっくり休め。」


アラルは言葉を発するようだ


アラル「俺が村人たちに猿が村を襲ったと言うように言ったのだ。」



スバル「はい。そのようだと思ってはおりました。」


アラル「カホが攫われた時に現れた猿、君の様な存在のことだという予測はついていたんだ。」


スバル「はい。俺のです。」


アラル「湖の辺りにも何かいたような感じがしたが、それも君だな?」


スバル「はい。そうです。カホを助けようとしていました。」


アラル「そうか。それでは、何から助けようとしていた?」


スバル「この村の中から。」


アラル「なるほどね。では、何故村人たちの顔色が悪い時があったと思う?」


スバル「それは、貴方が村人たちを脅していたからだと思います。猿が村に襲ってきたことが都合が良くなかったからアラルさんは村人へ猿が村へ襲ったと言えと言ったのです。」


アラル「ふむ?それで俺が怪しいことになるだろうか。村人達は了解をしていただけだったかもしれないよ。」


スバル「いいえ。それだとあの怯えた表情はあり得ません。」


アラル「俺は村人たちにその様なことは言っていないけどねえ」


スバル「それが通ればいいのですがね。残念ながら、村で一番の権力を持つアラルさんが.......」


スバル「アラルさんが村人へ「猿が村を襲っていたと言わなければその首を落とす」と言っていると仮定しなければおかしいのです。どう考えても。」


アラル「なるほどね。」


スバル「彼らの顔色も、そうでなくてはおかしい。そして、俺の猿の首を切り落としたのも、アラルさんです。」


アラル「仮にそうだったとしよう。何故、俺がそのようなことをしなくてはならないのだろう。」


スバル「自分の楽園を作る為、です。」


アラル「楽園を?」


スバル「そうです。アラルさんは元々、ここの世界線の存在ではありません。俺たちと同じです。ただ、アラルさんは力がある。別の世界線へ行き、そこを我が楽園としてこちらの世界線と繋げることも、可能です。」


アラル「あぁ。その点は認める。俺は元々ここの世界線の住人ではない。だが、君達とは異なる世界線の存在だよ。言葉は同じだがね。すまないがね。」


スバル「いいえ。通りませんよ。俺たちと同じ世界の住人です。そしてこの山をこちらの世界線に繋げました。」


アラル「俺にその様な力は無いよ。」


スバル「いいえ。あるのです。でなければ、彼らの青い顔色はおかしい。」


アラル「そこかあ。」


スバル「認めて下さいますね。アラルさん。」






スバル「いや..........................国王様。」





えっ?


スバル「貴方のお力でしたら、別の世界線をこちらに繋げることも可能だ。何のためにです?ただ楽園を作りたいだけでしたらそれでいいのですが」


アラル「何を言っているのかよく分からなかったが、この村は楽園にしたいのだよ。自然も多いし、食べ物も美味しいよ。」


スバル「そして、人も自分に従えつつあるから、と。」


アラル「ある意味ではそうかもしれないな。俺が村のリーダーだから。」


スバル「果たしてそういう理由でしょうか。国王様、お話を願います。」


アラル「なるほど。うん。そういう理由なのだぞ。スバル。君はよくやったね。なかなかに良い推理だったよ。」


するとアラルの体に光がともり


身体中の肌の質が溶けて行った


瞳の色は更に美しい色になり


まつ毛も更に長く


髪の毛も


という感じで全てが溶けて行った


するとそこにいたのはとんでもない美青年だった


しかもアラルさんの姿より直視できない


何だいこれ


黒くんたちもそのようだ


アラルさんは国王様


って、私たちの世界線の?


あれ?


ということは、この人がセンタロウ国王様


スバル「素敵なお姿です、国王様。アラルという仮の名前はどこからなのですか?」


国王「アルジという言葉からだ。俺は主であるのでアルジという言葉を一つ変えたんだ。それだけだよ。」


スバル「なるほど。本当に楽園を作っておられるのですか?」


国王「それは本当だよ。村人達には確かにそのような事を言ったよ。その分、後でその記憶を消そうと思っていたのだ。」


スバル「カホは国王様のお顔を見てしまいました。彼女の記憶も後で消すのですね?」


国王「そのとうりだ。」


国民の誰一人も国王様のお顔を見たことがないというのは、そういう理由だったのだろうか


そして私はアラルさんを初めて見た時にどこかで受けた感銘を感じたのと


アラルさんが私たちの世界線であるというのを感じたのはこれが理由だったんだ


あの美しすぎる容姿から受けた感銘だったんだ


スバル「では、本当に悪意はないのですか?」


国王「そうだよ。別の世界線へ旅行をしていたんだ。そしたらここを見つけた。そこを私たちの世界線に繋げたんだ。私の場が欲しかったということは認める。」


スバル「都内から少し離れた田舎にですか?カホは鳥に連れられてこちらに来てしまったようです。」


国王「そうだよ。気軽に行けるかなと思ってね。その鳥は俺も考えた。それは恐らくシンモンが思念で作った存在だ。」


スバル「シンモンさんが。」


国王「彼もやり手の思念作りが出来る人なんだよ。」


スバル「そうなのですね。」


国王「結果的にはカホさんをこちらの世界に連れてきてしまう形となってしまったが、その鳥はここの山をでて私たちの世界線に迷い込んだんだ。」


私「それがたまたま私の部屋に入ってしまったと。」


国王「そういうことだ。君の描いていたという絵に対してな、私が元に戻そうと思っていたよ。」


私「あ!嬉しい。」


国王「私が直すから、いつかでもいいから私の城に送りなさい。帰ったらね。」


私「もちろん!」


スバル「帰れるのですね?」


国王「そうだ。どういう訳か、お前たちは俺は村に閉じ込めて監禁するような悪いのだと思っているようだが、そうではない。」


スバル「平和でありたいだけなのですね。」


国王「そうだ。この山はいずれ元の世界線へ戻す。今回のことで良くないことも起こってしまうのだというのが知れた。」


国王様「シンモンの鳥は呼んで置いてあるんだ。この子だろう?」


国王様は私が連れてこられる原因になった鳥を見せた


その鳥だ


私「シンモンさんはなぜあんな鳥を作るかしら」


国王「防衛のためだろう。」


スバル「鳥がいれば伝達にも攻撃にもなるしな。」


私「なるほど。私を連れて行くほど力が強かったのは不思議な力でできた鳥だからなのね。」


国王「そうだ。カホさんを下ろした後、山の中の木の実の上に止まっていたよ。俺たちの世界を満喫したら帰りたくなったんだ。そしてカホさんを付けていたのは私達へものをあげたかったからなのだろう。」


私「そんな、無責任な」


国王「俺が彼に言っておいたよ。安心しなさい。」


私「なるほどなあー。」


スバル「それでは、国王様には悪意は全くないのですね。」


国王「そうだが、まだ何か疑問か」


スバル「いいえ。これ以上はありません。全て解けました。」


スバルは笑顔だ


かっこいい男の人が二人いる


いい場だ


国王「あと、黒丸くんと筋肉質くん。いるのは分かっているから、普通に姿を現せ。」


すると黒くんとショウジョウくんは驚きながら姿を現した


黒「こ、こんにちはー。」


ショウジョウ「こんにちは。国王。」


国王「あぁ。こんにちは。お前達もよく頑張ったよ。」


国王は二人を撫でる


気持ちよさそうだ


国王「スバルの力には驚いたよ。ここの言葉を翻訳できる事が出来たのは何処かで役に立つと思う。」


スバル「そうですね。確かに。何故、俺たちの世界線の住人では無いと言ったのですか?」


国王「単なる身の内明かしを守るためだよ。簡単にそう言ってみたが、やはりバレるのは想定内さ。いいんだよ。」


私の頭を舐めてもらっちゃこまる


国王「鳥も準備ができた様だね。それでは、帰るといい。またな。この鳥に家まで送ってもらうといい。」


国王は鳥を出した


そして鳥の足に気球を取り付けていた


それに乗る


すると気球は動く


上へ上へ高く上がって行く


すると元の私の部屋へ向けて出発した


国王「空の旅だ。楽しみなさい。」


そう言っていた


そして私は帰る


気球は飛んでいく


どこまでも


そして私は部屋へ無事に帰り、ゴミになっていた絵を元に戻してもらってまた絵を描くとなんと人気がでた


再び生き道が幸せになったのだった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


スバルは帰っていた


ショウジョウ「スバル様。どうしてそもそもあの村が国王様の世界だと分かったのですか?」


スバル「簡単な理由だよ。あの山の中に莫大な力を感じたからだ。」


ショウジョウ「なるほど!」


黒「つまり、バレバレだった訳だね...........」


スバル「あそこまで強い気配は国王様しかあり得ない。それが理由だ。簡単だろ?」


ショウジョウ「確かに。あの通報をしてきた者は最初から国王様から「この山の事は言うな」と命令されていたのですな?」


スバル「そのとうりだ。結局は悪いことではなかったようだが」


何かしっくりこない気もする


そういえば


記憶を消せるからって村人達に何を言ってもいいという訳があるだろうか?


スバルはそれを認識した


あの山へもう一度戻ってみようとしたが


あの山は既に消えていたのだ


考えてみたが


こればかりは分からない


国王様の考えることだ


単純明快な訳が先ず無い


考えてみる


分からない


あまりにも複雑が過ぎた


........それを考えると、逆に気が楽になり、やはりいいのかもしれないと思えてきた。記憶が消えるのならば


その様子を黒達は笑顔で見守っていた


そうして再びみんなは帰る


すると山から国王の黒い野望に満ちた笑みがあったような感じがした


まあいいだろう


国王様の考えることだ


きっと何も無い


そして家でまたみんなで楽しく過ごして行くのだ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


シンモンは家の中でゆっくりしていた


アラルが「入るぞ」と言って入ってきた


なんだろう


アラル「シンモン。お前はあの鳥を作る時、俺の家にもフンを落とす様に敢えて作ったね。あれは何故だい。」


シンモン「おや?あの言い合いは終わったのではないのですか?」


アラル「終わったさ。終わって、たった今、俺の家に君の鳥がフンを付けた。しかも、爆弾付きの。」


シンモン「ふっ!貴方はいつも王様気取りで私の地位がなくなってしまいましたからねえ。貴方が来てからですよ。ここの村に。」


アラル「そのようだ。それが俺の家に爆弾を仕掛けた理由か。だが、残念だったな。不発だ。」


シンモン「何?何故だ、確かに鳥に命令をしておいたはず」


アラル「俺の力を甘く見ていたのか?」


するとシンモンは怒りが頂点に達した


「いいえ。いいえ。」と言いながら


凶器のナイフを取り


「そんな目で見ておりませんよ。」と言いながら


国王の元にゆっくりと近づいて行く


そして隠し持っていたナイフをさり気なく


しかし強く


腹に刺した


つもりだった


アラルはナイフを握りしめていた


それをそのまま投げ捨てた


シンモン「!」


アラルの手から血が出ていたが


瞬時に治った


するとシンモンはアラルに掴み掛かった


アラルはシンモンの手を掴み


その首を落とした


アラル「シンモン。お前が俺のことを敵の目で見ていたことは知っていたぞ。だが、それでは甘すぎるんだ。やり直せ。」


アラルはこの後


この事を「シンモンが自殺をした」と言うのであった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


スバル。


お前は俺に負けたんだよ


よくやったが


あの時言い負かせられなかった


俺がアラルから俺に戻った時


お前は安心に満ちた顔をしていたんだ


国王は今から山を元の世界線に戻した


不敵な笑みを浮かべながら


END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る