第33話


果てのない攻防戦では。


先に隙を見せたほうが。


負ける。










『私、お店休めないよ。』


「一週間の休暇許可は、もう取ってある。」


『まじでテレビとかカメラとか嫌いなんだけど。

顔映ると、仕事柄いろいろ困るし。』


「顔はほとんど映らないから心配いらない。メインはplanetのメンバーだから。」


『私以外にもやれそうな人いっぱいいるでしょーよ。なんでまた・・・』


「やれる人間を探してるわけじゃない。理沙子に依頼してるんだよ。」






私の抵抗文句さえ、シナリオ通りかのように。


何を言っても、どうごねても。倫くんは顔色一つ変えなかった。







『責任取れない。』


「お前はとらなくていい。」



最後のあがきで絞り出した言葉にも。


間髪入れず倫くんが反応したとき。





呆れた私は、息を飲んだ。










勝敗は、決まった。

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