シンママＶｔｕｂｅｒはオタク社長に溺愛される

第64話

「よかった。麦チョコなら食べられるわ。グミって言われなくて安心した。くすくす」

「だって、準備しておいて選ばれなかったやつは、僕のお弁当になるんでしょ？危険な行為はしないよ」

「ふふふ、なるほど、よかった。で、何種類くらい用意するの？」

「５つくらいでいいかなぁ。好評ならまたやればいいし。あ、缶詰シリーズとかどうかな？コーン以外の缶詰、ツナとか」

「普通すぎない？ツナポテトとかあるでしょ？それをコロッケにしてもおいしいって想像つくよね？」

「んー、食べたい。ツナポテトコロッケは食べたい！」

「はいはい、あとは？」

「あ！そうだ！ちょっと待ってて！」

　優斗がどこかへ行って、手に何かを持って戻ってきた。

「これ！別のＶtuberが駄菓子料理紹介してて、対抗してこっちも駄菓子使っちゃおう」

　手に持っていたのは、薄っぺらな海苔のような形状のかば焼き味のなんかだ。

「小さく刻んで……いや、キッチンバサミで切ったほうがいいかな？で混ぜる？」

「んー、見た目のインパクト弱いよね。いっそコロッケに海苔みたいにぐるりと巻いて揚げるってどう？」

　インパクトって……。

　料理に大切なのはインパクトではないよ？食べ物で遊んじゃダメだって教育したはずなんだけど。

　にらみつけるように優斗を見ると、優斗が持ってきた駄菓子をカゴの中に入れた。

「大丈夫、絶対おいしいって、ほ、ほら、海苔をまいた空揚げってあるじゃん、ああいうのみたいなさ」

「ああ、なるほど。だったら、コロッケも海苔巻きコロッケも作りましょうか？ジャガイモには海苔の佃煮混ぜ込んだらどうかな？」

「お！それもおいしそう！さすが母さん、アイデアマンだ！」

　褒められた。たとえよいしょでもお世辞でもうれしい物は嬉しい。ふふふ、美味しいコロッケがいろいろ出来上がるといいなぁ。

　麦チョコ

　昆布豆

　マグロの角煮

　駄菓子かば焼き

　海苔巻き

　駄菓子ラーメン

　キムチ

　ブロッコリー

　ラインナップはこうなりました。定番すぎるミックスベジタブルやひき肉は優斗に却下されたよ。

　でもまぁ。うん、いくら大きなジャガイモで一度にたくさんコロッケ作って冷凍しておこうと言っても、限界もあるし。あんまり種類増やせないといえば増やせないんだよね。

　昆布豆とマグロの角煮はお弁当のおかず用に分けておくでしょう。それからブロッコリーは夕飯とお弁当。キムチはお弁当にはにおいがきついから入れない。うん、でも夕飯豚キムチにしようかな。いや、コロッケか。明日の夕飯が豚キムチかな。