撮影テスト1(仮)(大学2年1月)
お詫び
話の順番が間違っておりました。現在は修正しております。
誤「新居」→「法の穴」
正「法の穴」→「新居」
※1 応援馬券 単勝と複勝を同時に買う馬券。馬券に応援メッセージが入るので、その馬のファンが記念に買う事もある
※2 せん
※3
俺 主人公
エリさん 自宅の家政婦さん。姉ポジ
マリちゃん エリさんの娘
ナナコ 主人公の彼女
***
【大学2年12月】
「父さん、エリさんにいろいろ提案するのは反対しないけど、実はエリさんは、出産、離婚、子育てで、ここ数年、お正月を楽しんだ事がないみたいなんだ。今回もウチに来るときも、お
「そうか。確かにそうだな。折角、来てもらったのに、年末にその話をして、断りたいと思ったら居づらいよな。よし、この話は、年末年始を楽しんでから、する事にしよう。皆、そのつもりで頼む」
俺たち家族は、全員、同意した。
「
母が俺をからかって言った。
2時間程して、エリさんが帰ってきた。俺たちは何事もなかったように振る舞った。年末の忙しい時に、時間を
エリさん達も含めて、正月準備を進め、
【大学2年1月】
元旦は、皆で新年を祝い、両親と俺から、マリちゃんにお年玉を渡した。一応、社長なので、俺には役員報酬としての収入がある。マリちゃんは、エリさんが仕込んだのか、たどたどしく、年始のあいさつをしてくれた。非常に微笑ましく、家族も笑顔だった。
妹にもお年玉として1万円渡した。ポチ袋がマリちゃん用の可愛らしいモノと同じだったので、妹はちょっと妙な顔をしていたが、お前に必要なのは中身だろう。
午後から、全員で初詣に行き、帰りに大きなおもちゃ屋さんに寄った。ただ、マリちゃんは、昨年同様、キッズコーナーで遊ぶのに夢中で、アレが欲しい、コレが欲しいとは言わなかった。この年代の子供にしては珍しいのではと、俺は思った。もしかして、俺達家族に遠慮しているのだろうか。
エリさん
正月2日は、家族でゆっくり過ごした。
「そう言えば、お前の会社、そこそこ
家族の
「いや、そんなに儲かっているわけじゃないよ。IT関連のグローバルな技術で、映像に特化した新しい事業展開に向けて」
俺は、父に意味不明な説明をした。
「ふーん。まぁ、借金しないなら、好きにやればいいさ。司法試験にも受かっているし、お前はもう、独立したようなものだからな」
ふーー。セーフだ。
後でエリさんに聞いたら、ボーナスの話をちょっとしただけで、ビルの事は話してないとの事だった。
両親は、ここ数日間で話し合い、この正月中は、エリさんには何も言わず、改めて、母が東京へ行き、話をする事になった。正月中、エリさんが、幸せそうな顔をしているのを見て、俺は嬉しかった。
正月3日に帰るとき、物に執着のないと思っていたマリちゃんが、自転車を持って帰ると
自転車は、なんとか車に積んで帰ったが、マリちゃんを
***
大学の講義は、正月明けからすぐ始まるので、すぐに日常に戻った。出来れば正月にナナコにも会いたかったが、時間がないので諦めた。
声優事務所協賛のオーディションは、2月初旬に行われることになり、正月明けに、オーディションの委託料の半金を俺の会社から振り込んだ後、ホームページに募集要項が載せられた。
映像編集会社の社長の所にテスト撮影を頼むことになり、出演者に関しては、声優事務所の若手が出てくれる事になった。ただし、テスト撮影の映像は外には出さず、テスト終了後に削除する事が条件だった。
成人式の連休は、ナナコに会いに行くし、1月末から後期試験があるので、撮影は20日前後の夜とした。
映像編集会社の方で、スタジオを押さえてもらい、ちょっとした大道具もレンタルで揃えてもらった。
原稿と、フリップボードは、今回はテストだから俺の方で作った。こういう番組を作りたいというのを、俺自らスタッフに伝えるのにも役に立つ。
ある木曜日の夜に、貸しスタジオでテスト撮影が始まった。撮影スタッフが5人。出演者の声優さんが4人。声優事務所の営業さんが1人。
カメラは、テレビクルーが持っているようなモノかと思ったら、デジカメよりちょっと大きい程度のモノだった。ネット動画ならこれで十分だし、画質もいいと映像会社の社長が言っていた。それならウチの会社で買えそうだ。
最初に、俺の仕切りで打ち合わせを行う。そして、言葉は変だが、テスト撮影の試験撮影が始まった。
司会:さぁ、今日から始まりました、競馬予想チャンネル、UMAJO
A:ちょっと、待ってください。いきなり最初から突っ込みどころが満載なんですけど。まず、番組タイトルが、
C:そうよ。聞いてないわよ
司:番組名は、
B:確かに競馬に
司:文句があるなら、番組を作っている会社に言ってください。そこに社長がいますから
A:そ、それじゃあ、仕方ないわね。でも、馬野さん、あなた、なんで馬の仮面をかぶっているの?
司:これは仮面ではありません。本物です。
C:ああ、そういう
B:大人の事情があるのよ
司:それでは、気を取り直して、出演者の紹介といきましょう。
A:○○○○、23歳です。Cカップです。
司:誰もあなたのない胸を見ませんから言わなくても大丈夫です。続いてどうぞ。
B:うわっ。結構、
司:最後の方、どうぞ。
C:○○マイでーす。21歳でーす。
司:いいですね。この番組を視てくださるのは、おじ様ですので、頑張って
B:この馬(司会)、毒も吐くんだ。
司:それでは、明日のビックレース、○○競馬場で行われる、第○○回○○○○レースの出走予定馬の紹介です。こちらになります。
※ 司会がフリップボードを出す。
司:18頭の出走予定ですが、詳しくは、主催者のホームページでご確認ください。また、出走馬に関する詳しい詳細は、他の動画チャンネルを見てくださいね。
A:結構、雑なんだね。
司:この番組を見るような人は、既に知っているからいいんですよ。ウチは、予想がメインです。さて、既に前日投票が行われていますが、現在のところ、5番、○○○○○が一番人気です。ここからは、皆さんの予想をお聞きしましょう。
A:私は、12番の○○○○○が来ると思います。ちょっとエッチな名前がいいです。もう、応援馬券(※1)を買ってきました。これです。
※ Aが馬券を見せる
司:応援馬券とは、なかなか通ですね。12番の○○○○○は、現在、3番人気。ちょっとエッチな名前ですが、5歳のせん馬(※2)ですから、種馬にはなれませんね。
C:かわいそー。
B:私は、前走の良かった9番の○○○○○が来ると思います。今回は。レース間隔が短いので、当日の馬体重しだいだと思います。
司:9番の○○○○○は、現在、4番人気。4歳牡。前走は1着でよい走りを見せていましたが、確かに連戦が気になりますね。
C:マイはぁー、3番の○○○○○がいいでーす。だって、名前がカワイイんだもん。
司:もう21歳だろ。年を考えろ! それは、いいとしまして、3番の○○○○○は、現在、13番人気。6歳牡。来れば、大穴になりそうですね。
C:ひどい。マイ、泣いちゃうから。
A:大穴って、なんか下品。
司:それでは、最後に、競馬予想歴30年、普段は山にこもって、日々、競馬の研究をしているミスターXの予想を発表します。
C:ミスターXって、そこにいる社長でしょ?
B:マイ、言っちゃダメ。
司:ミスターXの予想はこちらになります。4番の○○○○○、現在7番人気。牡4歳です。ミスターXによると、
A:複勝って、確率 3/18じゃない。その人、本当に競馬予想のプロなの?
C:だから社長だって。
B:マイちゃん!
司:それでは、すべての予想が出そろった所で、今週は、ここまでです。来週、また、同じ時間に会いましょう。なお、馬券は法律により20歳以上でないと買えません。それでは、みんな、いいかな。せーの。
全員:UMAJO
A:これ、毎週やるの?
C:来週も見てねーー
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