第154話 エルフな勇者さまは、クリスマスの飾りの艶やかさに驚愕!(17)
「えぇ、えええっ!」
「嘘ぉおおおっ⁉」と、だけではない。
「何だぁあああっ? あれはぁあああっ⁉」
「飛行機かぁあああっ?」
「未確認飛行物体?」
「UFOかぁあああっ?」
「いやぁ~。違う~!」
「真っ赤なぁあああっ!」
「ホンダ~! N360だぁあああっ!」と、でも。言いたい。告げたい。それも? 驚愕! 動揺! 困惑をした表情──!
怪訝しい表情で、皆叫びたい顔若しくは、自身の指をさしながら僕と、只今魔女っ子。奥さまは魔女化しているエルと。宙に浮く。浮いて移動を続けているNコロを夢でも見ているのではないか? と、言った表情で見詰めているようだから。
僕は自身の脳裏で『どうしよう?』と、呟くのだ。
「……ん? ああ、大丈夫だよ。一樹。私達夫婦を見ている人達。この世界の人達は、一樹の脳裏を調べてみても。私の産まれ育った世界とは違い武空術など非現実的な世界だと思っているようだから。皆さんは、今自身の目に、瞳に、映っている事は、夢幻だろうと思ってくれるから心配はないよ」と。
エルはこのように、天女の微笑みを僕にくれながら、『気にするな』、『心配しなくても大丈夫』、『絶対にばれないから』と、安易に告げてくる。
でも僕自身は心配で仕方がないよ。もう、それこそ? 自身の心臓がチクチク、イタイタ、ドキドキするぐらい。本当にどうしようと、思うのだけれど。
でもさ? 僕の、奥さまは魔女化しているエルの言う通り。告げてきた通りでね。その日の夕刻の地方番組やニュース、夕刊。翌朝の朝刊の記事にも記載されていなかったのだ。不思議とね。
『真っ昼間の空に浮きながら走行をする赤い軽自動車を発見!』とか、そんな見出しの記事の面など無い状態だったので。僕はエルに「本当にエルの言う通りで、全く大騒ぎにならなかったね」と、告げれば。
「そうでしょう。一樹。私の言う通りだったでしょう」と。
家のエルフ、元勇者な奥さまは、『奥さまは、〇法使い』の、ヒロイン奥さまみたいに、括れた腰に両手を当て仁王立ち──大きな乳房を天井へと向け、ツンと張りながら、『えっへん』と威張り。己の鼻を『ピクピク』と動かしながら告げてきたのだ。
でも、あの頃、あの時代、昭和の終わりの時代だから通じた。通用した。上手く誤魔化せただけで。今の令和──。
そう。これだけスマートフォンの普及と、投稿サイトの充実が、あの時にあれば、あの現場をスマートフォンやガラ系携帯に撮られ、収められて、動画サイトに投稿をされてしまい大変なことになっていたと思う。
だから家のエルフで元勇者の奥さまは、こちらの世界では、今は大変に大人しくお淑やかな淑女、貴婦人さまになっているよ。と、説明したところで、話しを元に戻すけれど。
僕とエルが搭乗している。宙に浮いたままバックをしているホンダN360Ⅲはね。ある場所に着けば。『ドォーン!』と、音を立てて地面──。道路に着陸をする。すればね。
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