第152話 エルフな勇者さまは、クリスマスの飾りの艶やかさに驚愕!(15)
まあ、そんな最中に、僕達新婚ラブラブ夫婦へと事件は起こった。起こってしまったのだと、言うほど、大袈裟な物ではないから。皆さんは、僕達夫婦のことを心配してくれなくても大丈夫。只家の素晴らしく綺麗な奥さまが、何かを車窓から凝視して驚愕をしたようだから。
僕はエルに「エル、どうしたの、大きな声をだして?」と、困惑した表情で問いかけてみた。
「ん? あれだよ? あれ? 一樹、あれは何?」と。
エルが自身のしなやかな指先で、何かを指しながら問いかけてきた。くるのだが。
僕は奥さまの指さす『あれ?』が、何を指しているものなのか、全くと言ってよいほど見当がつかいない。
「エル、『あれ?』と、僕に言われても、叫ばれても。僕は車の運転中でもあるから理解ができないよ」と。
僕はエルフで、元勇者な奥さまへと不満を告げると。
「もう、一樹は、致し方がない。仕方がないのだから」(プンプン)と。
エルは自身の頬を膨らませながら拗ねた。不満を漏らしてきた。
そして漏らし終えれば、自身の美しい碧眼の瞳がある両目、瞼をスゥ~と閉じながら。またブツブツと独り言──。
それも、何をエルが、何を呟いているのか、僕には理解ができない言葉を、独り言を呟き始める。
そんな様子のエルを僕は、Nコロを運転しながら見詰めて、嫌な予感がすると直ぐに思う。思ってしまうのだ。
だってこの状態……。家のエルフな、元勇者の奥さまが、瞑想に入ったように瞼を閉じながら独り言を呟いた時に……。
そう、先程僕達夫婦が住んで居る団地から。山を、坂を下る時に、エルが魔法を唱えた時の様子に似ている。と、いうか?
その時と類似、間違い無い様子で、家の奥さまは、魔法を詠唱し始めている訳だから。
夫の僕は、嫌な感。思い。予期せぬ出来事が起こる前触れだと思いながら。冷や汗を己の額と背にかき、垂らしながらエルの様子を窺っていると。
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