僕が昭和の時代に助けたのは物の怪や宇宙人ではなく精霊様でした
かず斉入道
第1話 前置きは人の優しさ(1)
「お兄ちゃん、未だこんな夜遅くまでいたのかい?」
暗闇の中──作業をする僕の耳へと優しい声が聞こえてきた。
だから僕は、「えっ?」と、驚嘆を漏らし、後ろを振り向く。
「ああ、所長さん……」
僕は暗闇の中──。自身の瞳に映る黒い影を凝視して、自身の顔を緩めながら言葉を漏らせ終えれば。
「は、はい。未だお店の片付けが終わらないので、僕はいました」と。
彼──。このお店の所長さんへ告げる。
「ああ、そうなのかい、お兄ちゃん」と、
「じゃ、お兄ちゃん、気をつけてお帰り。車で事故をしないようにお帰りよ」
この店舗──。
お店の所長さんは優しく僕へと労いの言葉をくれた。
だから僕は嬉しい気持ちになるから。
「は、はい! ありがとう御座います。所長さん……」とお礼を告げ。
「所長さんも帰り。車の運転には気をつけてお帰りください」、と。
僕も彼に気を付けてくださいと労いの言葉を賭けたのだと告げ、説明が終われば。
ここは一体何処?
何処なのさ、君? ちゃんと我等に分るように説明をしなさいとなるのだが。
う~ん、実は、ここはね? 広島県の片田舎。
そう、中国山地の小さな国道沿いにある小さな農協の購買部でして、僕はその購買部のお店の前──。店頭に場所を借りて商い。販売業と言う自営の商いをさせてもらっていたのだが。購買部のお店の方が閉店をしたので。
僕は只今僕は、今迄使用させてもらっていたテントの下──。
そこで販売台を設置──。
その上に展示していた商品のお片づけをしている最中でね。僕はその商品を段ボール箱へと詰め込み、片付けた物を台車に乗せ──。
自身のマイカーへと移動──。
その最中に、僕が出店させてもらっていた農協の購買部の所長さんと僕は会ったと言う訳だから。
僕と店長さんの二人は、こんな会話を続けて。最後に所長さんは僕へと。
「うん、ありがとう。お兄さん。来月もまたよろしく頼むよ。じゃ、またね。さようなら」と、告げると。
彼は踵を返し、僕に背を向け。
自身の手を振りながら。
『あばよ~』と、この場を去る。
そんな所長さんの背を僕は見詰めながら軽く会釈──。
そして自身の口を開き。
「所長さんお疲れさまです。また、来月もよろしくお願いします」と告げ、嘆願をした。
僕は自身の頭を深々と下げながら。
でッ、その後の僕はと言うと?
僕は自身の仕事のパートナーである箱型の一トンの営業車へと向かい。後部の荷台の扉を開け──。
僕は、自身が台車に載せ、運んできた箱を慌てて、車内へと載せていく。
そして乗せ終われば。
また購買部の前にあるテントの下へと、ゴロゴロと音を出しながら向かい。
僕が展示をした商品の残りをね、片づけを始める。
この薄暗い空間の中……と、言うよりも?
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