第168話 此の国の神殿の外は……(2)

「うぉ、おおおっ!」


「流石ぁあああっ! ウォンさまだぁあああっ!」


「凄い! 凄い!」


「凄いぞぉおおおっ! 凄いぞぉおおおっ!」


「ウォンさまの後に続けぇえええっ! 後にー!」


「俺達も続く、のだぁあああっ!」


「続けぇえええっ!」と。


 反乱軍は歓喜! 威勢と歓喜しながら。オーク種族最強の漢戦士であるウォンの鬼神! 強靭的! 一騎当千的な振る舞い。活躍に対して、各自各々も鼓舞、刺激され、火事場の馬鹿力的な謎。未知なパワーと力、武を披露して、寄せ集めの反乱軍が、二国の強靭な正規軍を押し返し始め出したのだ。


 だから威勢、勇気が、未知なるパワーが、凛々と湧き上がるウォンとは違い。反乱軍を排除、鎮静化しにきた。インプ種族の長であり。賢者の長でもあるメイは『チッ』と、舌打ちしながら後退を余儀なくされた状態へと陥っているから。


「皆ぁあああっ! 一度後退ー! 後ろの下がり態勢を立て直すぞぉおおおっ!」と。


 メイは声を大にして叫びながら此の国の首都。神殿がある町から一度撤退を指示──下知を飛ばし。飛ばせば。町の外、城外にて軍の立て直しを図るのだ。


「よぉ~し! 今がチャンスだぁあああっ! 皆ぁあああっ! 今の内にアイカを神殿から救い出せぇえええっ!」と。


 ウォンはこの機がチャンス。この機を逃せば、自分の愛する女性。女王アイカの救出──。自分の物、妃にするチャンスは遠のいてしまう可能性があると思っているから。


 女王アイカが監視下に置かれ、閉じ込められている宮殿内の部屋へと足早──慌てふためきながら向かうのだ。


 女王アイカ自身の気持ちを考え、考慮する訳でもなく、只、己の思うまま、自然の摂理のまま、オスがメスを求め独占をしようとする性の性。欲望心だけの為に、宮殿内へと向かうのだ。


 女王アイカ自身は、この反乱……。自身の夫をまた裏切る行為には加担をしたくはない。


 だから自身の身を隠そうと躍起になっている最中だとは知らずにウォンは、只ひたすら女王アイカの許へと急ぎ足──。駆け足、無心で、「はぁ、はぁ」と、息荒くしながら向かうのだった。




 ◇◇◇◇◇

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