第146話 監禁・捕らわれの身……(1)
「ふぅ~」と、溜息を漏らす女王アイカなのだよ。
今日も、これといって何をする。する訳でもなく、只柵の入った窓。檻のような窓から哀愁漂う様子で、椅子に座ったまま、片肘立てながら。外の景色を眺めるだけの生活を繰り返しているのだ。
あの時、あの日、あの夜に、夫、王を裏切る破廉恥極まりない行為を、元カレ、元婚約者……。もしかすると? 夫、主だったかも知れない男、ウォンとの熱く燃え盛り。獣化している最中の現場を、今の主。二国の王である美少年王健太に押さえられて、このような無様な所業、処罰を受けている最中の、未だ此の女王として君臨している……。
そう、二国の王である夫の力、後ろ盾のお陰で、女王としての立場だけは保つことができている女王アイカなのだが。こんな立場、所業ならば。とっとと、自分自身も処刑、斬首が決まったウォンのように、己の身も斬首、張り付け、串刺しの刑でもしてくれればいのにと、現時点の主、王である健太のことを毎晩呪い。恨みつもり。
『早く私を殺せぇ~』、
『殺してぇ~』、
『あなた~。早く~』、
『こんな部屋に閉じ込められているだけの生活を~』、
『永遠に続ける~。しないといけない生活を続けるならば~』、
『一層のこと~。殺してよ~。あなた~』と。
毎晩女王アイカは、狂乱をしたように叫びながら主へと嘆願をするのだが。そんなこと健太が許す訳でもなく。
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