第56話 アイカの不満(2)
「や、やめろ! 触るな! 触れぬなぁ! 私の唇や肢体(身体)に……。頼むからお願いだ……」
「いいじゃないか別……。お前と俺との仲。仲ではないか……」
「いいや! 駄目だ! 駄目だ! 頼むから。私の髪や頬、首筋……唇や舌にも。お前の唇、舌、掌を当て、這わし。触れ、触る事はしないでくれお願いだ。た、頼むよ……」と。
女、女性に触れ触らせ、キスをさせろと迫る男に対して拒む、拒み続ける女性の声と台詞が聞こえてくる。きたのだ。
「…………」
でも、こんな感じだよ。男、と、いっても? 大変に大きな体躯を持つ、オーク種族の男性のようだが。
同じ種族、オークの煌びやかな飾り、冠や耳飾りに、首飾りと、己の肢体を所狭しと、出した。白銀色を主体とした艶やかな皮防具を身に纏う。高貴な女性らしい者の拒否、拒み、諫め。最後は自分に触り、触れ、キス……甘えないで欲しいとの願いを無視、拒否しながら。高貴な女性へと、優艶に戯れ甘えてくる。くるのだ。
だから高貴な女性は困り果てた顔、様子と、優艶な仕草──。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます