第53話 ダークエルフとエルフのシャーマン(40)

 まあ、いつ、なんどきに、お互いが敵になるかも知れない。と。いうか?


 つい最近までは、敵としてお互いが領地間を挟んで、『ガンのつけ合い。飛ばし合い』ではないが。睨み合いを続けていた、ではないが。度々国境、領地間を挟んで小競り合い。紛争を起こしていた両領主、酋長、族長、姫巫女、シャーマン達同士だから。尚更、ライザとプラウム──。


 そして二人の治める領地、集落のオークの戦士達も。プラウムとサラの姉妹がする行為が面白くないのだ。


 だからオークの酋長、シャーマンであるプラウムやライザと一緒で、プラウムとサラがしている行為、行動を凝視しては、


『アイツラはバカか?』


『バカなのか?』


『それとも気が触れているのか?』


『まあ、ひ弱な種族の者達は、ああ、でもしないと、己の力、武の誇示ができないのだろう』


『だから情けない奴だ』


『どうしようもない奴だ』と。


 二人──。


 此の国のエルフ、ダークエルフの巫女、シャーマンである筈の、プラウムとサラ侮り、蔑み、苦笑を浮かべ、しながら戦後は、自身の領内、集落へと帰宅の途につくことが続いている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る