第50話 ダークエルフとエルフのシャーマン(37)

 それでも二人の姉妹へと投降、下僕となり従うのは漢戦士達のみでね。ミノタウロスの女性達、アマゾネス達は、二人の姉妹の様子──。プラウムとサラの自分達の集落の男達を次から次へとあさるように、己の妖艶、官能的な容姿を餌に誘惑、虜、傀儡していく様を凝視しては、不快感と嫉妬心を募らせるばかりで。自分達と同じ性である女王、領主、酋長、族長に対しては嫉妬心を募らせることはあるとしても心から従い尽くすことはない。できないから。


 ミノタウロスのアマゾネス達は、己の飢え、傷が酷かろうと、自分達の主──。


 そう、この集落の男王であり、酋長である者の許へと逃避──自分達が愛する酋長(もの)の許へと逃げていくのだよ。同じ集落の男達が敵の亜人の女に魅入られて遜る情けない様子を『ヘッ!』、『ペッ!』、『情けない男(やつら)』と、鼻で笑い苦笑──唾を吐き捨てるように横目で見ながらミノタウロスのアマゾネス達は逃走を計る。己の愛する主の許へとね。

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