第35話 ダークエルフとエルフのシャーマン(22)

 大変に血気盛ん! 皆……。




 そう、集落の皆、一族全員で玉砕をしようと血気に逸る者達もいるのだが。


 そんな血気盛んな英雄達に。


〈シュン! シュン!〉


〈プス! プス!〉


〈プスッ!〉と。


 ああ、無情……。




 彼、彼女達に弓矢の雨嵐が、己の周り、足元に刹那の如く降り注いで地面へと刺さる。刺さるのだ。


 それも? 血気盛んな英雄達の予期せぬ場所から。


 そう、自分達各自の目の先──。こちらへと猪突猛進を繰り広げながら迫りくる。ダークエルフシャーマン、サラが率いる多種族混合の漢戦士達が放ってきた訳ではなく。左翼、右翼と、自分達の仲間に伏兵、突撃を決行してきた。ライザの率いるオーク種族の漢戦士やウルハの率いるオークのアマゾネスの戦士達ではなない位置……かと言って?



 最初に己の仲間──。ミノタウロスの戦士達のサラの隊への猪突猛進! 突撃の勢いを阻止! 遅らせ! 気を逸らさせた。本陣からの長弓によるアウトレンジの弓矢での攻撃でもない。ないのだよ。

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