別れのうた

ゆり呼

第1話 朝の雨

空から降るはキラキラと

砕けた想いの朝の雨


木の葉にそっと寄り添って

雫が独り微笑むの


あの人はきっと今日もまた

緑地を巡り出掛けていくわ


その行く先は知らねども

声なき声に 導かれ


空想の羽は軽やかに

独り待つ身はジョウビタキ


こころの奥で 燃える火も

静かに消えて 馴染むころ


穏やかに 涙も拭えるわ


出会いも 別れも 一瞬の

長い旅路のひとかけら


明日こそ哀れの衣捨て

微笑む時が 訪れるよう


ボヘミアングラスに注いだワインを

少しだけ


愛のカタチに変えてゆく

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