5 彷徨う
その日の出社後
帰りの便が取れなかった
いつもなら最終便は、1席は、空いているのに年末のせいか
席が取れなかった
いつもより暖かく感じたその日は、
実家に帰るより
普段とは、違う事をしたくなった
あの田舎とは、違い
都会は、明るく人が多い
毎週、会社と行き来していると時間を感じなくなる時がある
これを僕は、時間の隙間だと思う
スライスされた時間と時間の隙間は、歩く人が足跡のように見える
その跡を辿ると
大きな映画館の前にいた
映画館の広い入り口からは、人が出てくる
上映されている映画は、気にならないが
扉からの温かい暖房の空気に
映画館に入ってしまう
映画館なんて何年振りか
今では、当たり前のシネコンだが初めて入った
1館、1作品しか知らない僕には、
6スクリーンは、多すぎた
数台のモニターから流れるCMより
「とにかく人が少ない映画を見よう」
「アクションより静かな映画にしよう」
「あわよくば朝まで寝よう」と
内容は、どうでも良くなった
上映時間
3時間で決めた映画
チケットを買う
大きな券売フロアには、上映を待つ人が数人
初めての自動券売機に少し焦る
無人に近い
広いフロアは、妙にソワソワする
綺麗で明るい売店で
ビールを買いシアターに向かう
既に座っているのは、、二人
離れて座っている
広い場内に三人に安堵する
静かで広い空間だ
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