(二)-11
ナオミは今度は「今いくらくらいもっているの?」と尋ねた。
ナオミは肩にかけたポーチから財布を取り出して見せてくれた。中には小さく折りたたまれた五千円札が一枚と百円硬貨二枚、十円硬貨が三枚のみだった。
「コンビニのお給料日まであと七日あるので、それまでネットカフェに泊まりたいのですが、ギリギリお金が足りなそうなんですよね。本当にどうしよう……」
「日本にも生活保護の制度もありますよね。それは利用しないのですか」
「役所に行ったんですけど、断られてしまって……」
(続く)
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