12月8日……掌は取り残される

掌には何も残らない

遠く染まる朝焼けも

風に揺れる猫じゃらしも


すり抜けるだけで

遠くへ行くばかりで

私は取り残されるだけで


掌はからだって

知っているから

いつだって握り締めている


でもそれでも空は高く

でもそれでも風はさや

取り残されるのは

いつだって私ばかり


それでも

掌の内は見ない振りで

悲鳴は押し殺して

涙は喉に飲み込んで

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