【魔改造✨】役立たずと言われた俺は全てを魔改造する!追放先でみんなの真の力を開放したら世界最強パーティになっていた件。〜勇者のスキルが暴走?知らんがな!〜【最強の整備士】
第23話 破滅——side王都ギルマス・デーモ
第二章 釘バットの聖女
第23話 破滅——side王都ギルマス・デーモ
王都ギルマス・デーモは、連絡が取れなくなったアクファ同盟の面々に対し、苛ついていた。
「あいつら……俺の連絡を無視しやがって。いや……まさか……?」
依頼に失敗し、記憶を消す魔道具と偽り渡した魔導爆弾を起動させたのではないか?
定期連絡もなく、こちらから連絡しても返事がないことと辻褄が合う。
最後に連絡を取った時には、イアーグの街冒険者ギルドにいた。
魔導爆弾を使ったのなら、冒険者ギルドの建物ごと吹き飛んでいるだろう。
「ま、まあ……それでも全てが消えるなら問題ない。
念のため、フレッドに連絡してみるか」
通信用の魔道具を取りだし、イアーグの街冒険者ギルドに連絡を取る。
デーモは、不通になるだろうと思っていたのだが……。
『ご連絡ありがとうございます。イアーグの冒険者ギルドマスター、フレッドと申します』
「ゲッ……どどど……どうして」
『えっと、王都ギルド——の、どちら様ですか?』
「フン、わ、私は王都冒険者ギルドマスター、デーモだ。久しぶりだな」
『はあ、デーモさんですか』
支部のギルドマスターの割に、軽い返事が返ってきた。
デーモは苛つく。
——コイツは元々反抗的だった。
随分前に王都冒険者ギルドから裏工作を繰り返し追放してやったのに。
王都から離れている田舎だとは言え、未だにギルマスにしがみつきやがって。
デーモはフレッドの声に怒りを隠さない。
「おい。お前、なんだその態度は?
俺は
物言いに気をつけろ!」
しかし、相変わらず舐め腐ったようなフレッドの溜息が聞こえる。
『はあ……』
「おい! 聞いているのか!?」
『聞こえていますよ。デーモさん。
でも、あなたはもうギルドマスターではない。
クビだよ、あんた。
それだけじゃない。お前は犯罪者だ』
「な、何を言っている?」
『アンタのところに向かってるぜ。
こわーい捜査官が。
もちろん、心当たりはあるだろう?
オレへの圧力、おかしな武器や防具の転売』
「な、なんのこと……だ?」
デーモは当然心当たりがあったが、それは大した問題ではない。
重要なのは、フレッドが生きていて、依頼の内容を知っていることだ。
口封じのための道具が機能していない。
捜査官がやってくるとも言っている。
『さらにフィーグへの仕打ち。
エリゼ殿は、とてもご立腹のご様子だった』
「ま、待て……一体何を伝えた?
きちんと説明するからお前からも話してくれ——」
『そうそう、魔導爆弾の出所についても、エリゼ殿がしっかり追求するそうだ。
全員無事だぜ、あんたの送ったアクファ同盟も、巻き添えになりそうになった、公爵や騎士エリゼ様もだ。
フィーグが全て解決してくれた』
「なっ……?」
通信を切り、慌てて周囲を見渡し始めるデーモ。
もう全てが終わっている。
「クソが……フィーグ……アイツが……アイツのせいで!
いや、そもそも勇者アクファがアイツを追放したのがいけなかったのか?
そういえば勇者アクファは……最近まったく顔を見せないが……
まさか逃げたのか?」
いくら他人を恨んだところで後の祭り。
もうデーモにとって挽回のチャンスは無い。
周囲に散らばる書類。
特に捜査官などに見られたらマズい書類を鞄に詰め始めるデーモ。
滝のように流れる汗は留まることを知らない。
そこへ……。
バン!
突然部屋のドアが開き、ズカズカと数人の騎士と、捜査官、衛兵が入ってきた。
そこには、騎士エリゼの姿もある。
「王都冒険者ギルドマスター、デーモ。貴様を逮捕する!
貴様……よくも……よくも!!」
……騎士エリゼの瞳は憤怒に燃えていた。
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