鮎川①

鮎川は西山が暴れ出したことにより、今回は外された。柳町はアサヌエホテル東京に礼を言いに向かった。その日は雨が降っていた。アサヌエホテル東京に着くとホテル受け付けで例を言うと足早に警視庁へと向かった。鮎川らしくない。今詳しい経緯を鮎川から聞いている。鮎川は何も話していないと主張している。西山は鮎川から侮辱されたと話している。鮎川は気になることは言わなかった。西山には虚言癖がある。ただ、覚醒剤取締法容疑と公務執行妨害が増えた。鮎川の何かが気に入らなかったのだろう。鮎川の目には涙が溢れていた。鮎川の痛々しい顔の腫れは2〜3週間と診断された。鮎川と変わり柳町が取り調べを引き継いでいた。

「事件の背後にはグループが関係しているんだろう?」

柳町は西山が故意にあばれたのではないか。犯人は買収した警察関係者西山が暴れさせるように仕向けた。何か都合が悪いことでもあったのだろう。柳町は鮎川への不信感はまだ消えてはいなかった。柳町は鮎川の行動に着目した。

「何か不自然な言動がなかったか」

柳町は鮎川に対してそう考えてみると何も感じなかった。柳町の知っている鮎川は厳しいと感じていた。誰よりもその人物に対して深い愛情を持っていた。「そんな男が…」

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