第37話 王国のために役に立ってくださいねお父様③
「そうです。皆さんは、私が張った結界の中から出れません。
そういえば、アリステラ公爵派の皆さんは、どうやって、スクラルド王国どころか世界を手に入れられるおつもりなんですか?」
「そうか。そこの裏切った魔族から聞いたのか。
私たちは、魔王と手を組み念願の不老不死となり、世界を手中に収めるのだ」
どんな方法で不老不死になるつもりだったのか知りませんが、世界は手中に収められませんが不老不死になれましたよ。よかったですね。
「そうですか。よかったですね。
結界内にいる限りは、皆さんは不老不死ですよ。
もう二度と結界から出れないので、世界は手に入りませんけどね」
『!!』
「ふぅん。こちらには魔王がいるのだ。
転移魔法で、簡単に結界の外に出れる」
こちらには、前魔王がいますよ。
ちゃんと転移魔法が使える。
「そうなのですか。転移魔法対策もしてあるので、出れませんけどね。
あと、そちらの魔王は、転移魔法使えないみたいですよ」
「!!」
「私たちを閉じ込めて、どうするつもりだ!!」
『そうだそうだ』
「我らにこんなことをしてただで済むと思っているのか!!」
やっと本題に入れますね。
結界から出れないのにどうやって私たちに危害を加えるのでしょうか。
ちゃんとお話ししますからお静かに聞いてくださいよ。
「皆様は、アリステラ公爵派の反逆罪などの罪で、処罰されることになりました。
通常なら処刑ですが、死をもっても罪は償えませんし、あっさり処刑して罪が消えるのは許せませんからね」
「我らは関係ないではないか。出せ、小童!!」
「魔族の皆さんは、人間の国を侵略しようとしているのでしょう?
それに私は、人間と友好関係を築きたいというルシフェルの味方ですからね。
そんなことをしようとしているあなたたちを出すわけないですよ」
何で、自分達は関係ないとか言えるかな。
元々、人族と魔族は敵対しているというのに……
「じゃあ、話の続きをしますね。
先程、スクラルド王国中を被う結界を張りました。
私の魔力だけで維持し続けることができるのですが、国王陛下が納得しないようなので、罪を犯した皆さんには、結界維持のための魔力供給源になってもらうことになりました」
『ふざけるな』
みんながふざけるなって叫んでいるけど、罪を犯したり、侵略しようとしたりしたのは、皆さんなのだから、罰を与えられるの当然ですよね。
「自業自得ですよ。罪を犯せば罰せられる、侵略しようとして敗れれば捕虜や処刑など地獄が待っているなんて、子供でも知っていることですからね」
勝てば官軍負ければ賊軍ってことわざもありますしね。
勝てば何でも理屈かがつき、正義となり、負ければどんなに冷遇されるかわからないって意味だけど、今回に関しては、こちらが端から正義だけどね。
「結界の効果で、魔力が自動回復し、勝手に魔力を奪っていきますから、結界から出れない以外の不自由はないので、ご安心くださいな」
不老不死になったのですから、なにがあろうが死にませんし、老いることもないのですから幸せでしょう。
「というわけで、念願の不老不死になったのですから、スクラルド王国のために役立ってくださいねお父様」
言ってやったぜ。
そして私たちは、国王陛下の魔動馬車で王城に移動した。
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