第50話 ラスト話 「いま。思うに任せぬ戦いを続けているきみへ」

さて。このエッセイ、今日で終わりです。

カクコン7、パンダ周辺の作家さんを中心に楽しませていただきました。

ほんとうに、楽しかった。

そしてみなさまのご健筆をリアルタイムで体験できて、ほんとうによろしうございました。


水ぎわは、小説の書き方は無限にあると思っていて。

だからどんな小説もOkだろうと思っています。


と。

ずっとそう書いてきましたが。

ここでひとつだけ、苦言を(笑)。

最後の最後で説教パンダ(笑)。



最近のラノベの傾向として

物語の視点が、複数ある形式が目につきます。

主人公・対抗馬、の2視点が交互に切り替わる、というのなら

まだわかるんですが。

3視点があるものも、見受けられます。


3人称じゃないですよ(笑)

すべて1人称。

すごいときには、2000字程度のお話の中で視点が切り替わる。


書くほうは、楽です。

「あたしは あたしは あたしは」と書いてから、相手の感情を

「僕が 僕が 僕が」と書いちゃえばいいんです。


一人称は、読みやすい、読み手が感情移入しやすいという利点があります。

反対に、書き手としては提示できる情報に制限があるというデメリットがあります。

主人公の視点だけでは、物理的に見える範囲が限られるし、相手の感情を描写するには動作や情景描写を積み重ねていくしかありません。

主人公に見えない部分をどう読者に伝えるか。そこが一人称の大変なところであり、書き手の腕の見せ所です。


一方、複数視点の一人称では

「あたしはこう思った」と書いた後で視点を切替えて

「僕はこう思った」

これで二人の感情は、書き終えたことになります。

恋愛小説ですら、二人の目線別々で、書きあがっちゃうんです。



それが今の風潮だ、人気だ。仕方がないよ、とおっしゃる方もおみえでしょう。

そのほうがサクサクかけるし、読むほうも楽だし。

なんでいけないの? と思うでしょう。


悪くはありません。それが今のラノベです。売れ筋です。

だけど。

書き手としてのあなたは、ほんとにそれで満足ですか?

その器は、その物語が必要とするものでしょうか。



書き手が苦労するから

読み手は面白いんです。

ずっと読まれるもの、繰り返し読まれるもの、最終的に多くの人に読まれるものは、書き手の苦闘の末にしか、出てこない。うんざりするほどの推敲や修正が「読みごたえ」になるんです。

さらっと書いたものは、さらっと読まれて、さらっと捨てられる。

壁を越えて行くには、やはり書き手が苦闘して、一点突破する必要があるのです。



だからパンダも書きます、三人称で。まさに時代に逆行(笑)。しかもアホみたいに直す(笑) 

時間がかかります。忍耐が必要です。簡単じゃなくて手間ばかりがかかる。


ばかばかしいドン・キホーテだけれども。

それが、パンダだ(笑)。


今回、「水回り応援団」で追いかけさせていただいた作品は

長編・短編のどちらも、簡単に書かれたものではありません。

何カ月も前から準備して書き込み、なおし、公開後も修正し、最後の最後まで心を込めて公開されたものばかりです。

水ぎわ、みなさまの真摯な文章と意欲と、物語に真っ向からぶつかる気概に、敬服いたしました。


ありがとうございました。

物を書く気迫というものを、あらためて教えていただきました。



ここで。今回の「水回り応援団」でピックアップした作家を、まとめてご紹介させてください。すいません、順不同です(笑) うっかり書き残した方がいたら、ごめんなさい!と さきに謝っとく(笑)



綾束乙さま  肥前ロンズさま  ゆうすけさま  ホシノユカイさま

真田奈衣さま  雪うさこさま  わらけんたろうさま  星都ハナスさま

一宮けいさま  福倉真世さま  桜雪さま  新巻へもんさま 詩一さま

ちえ。さま


わが水回り応援団のメンバー 万之葉 文郁さま ko-todoさま 久浩香さま 遊井そわ香さま。

勝手にメンバーにきめたソラノヒナさま(笑) あいるさま。


水ぎわ最後のお弟子さま・ヒャッハー 静野ふゆ。先輩お弟子さま かしこまりこ。

最後に、畏友戦友のアメたぬき  無雲ちゃん ともはっと兄さん。

まことにまことに、ありがとうございます。



……おっと忘れてた(笑)、こいつらに感謝を忘れると、リアルな生活に支障が出る(笑)。

仁志ガク・仁志ネン・相方の同行二人どうぎょうににんへ。

史上最大の愛をパンダから。



★★★

物を書く人間にゴールはない。


パンダ、昨年からちいさな公募に毎月、作品を出しています。

ちょびちょび当たりはじめました。

小銭が入るようになったので(笑) 本腰いれて書いております。

修行の日々が続きます。

物を書く人間に、ゴールはないから。


だからこそ。

いま、思うに任せぬ戦いを続けている人に

パンダより渾身の愛をお送りいたします。

パンダだって、自信がない。才能のなさに泣けてきて、PCをたたき切る日があります。

それでも書く。


もはや理由はありません。

みなさまも、そうだろうと思います。

だから。またどこかでお会いしましょうね。



応援団エッセイは、これにて終幕。

みなさまのカクヨムでのご健闘をお祈りしてますね。



今宵も冷えます。

温かくしてお過ごしください。

ありがとう。本当に楽しうございました。

パンダより 愛をこめて。


おやすみなさい。

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