まどろみ

まどろみの狭間

地球の滅亡を知らせるサイレン

明日には消える平穏の気配を手繰る

サイレンは暗闇を縫って止むことを知らない


明けなずむ薄闇と静寂

見慣れた天井がうつつを知らせる

覚醒しない意識の中

夢に沈んでいく

再び鳴り響くサイレンは辺りを赤く照らして

逃げるでもなく悲しむでもなく

ただ終末の空を眺めている


浮上する幽体

淡く光の指す部屋には赤色も警告音もない

再び瞼は閉じて夢の中

消えないサイレンを聞きながら

世界の終わりを待っていた

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