第41話 突然の
今年は入院年であります。エッセイでもあげましたが、私の目眩にはじまり、コロナ禍で先送りされていた家人の副鼻腔炎の手術が7月に。この9月に母と父が相次いで脳梗塞で入院いたしました。
幸い、家人の手術は無事終わり(お医者さまからはリスクについての有難い解説を頂いておりそれなりの覚悟をしてはおりました)毎日沖縄の塩水を自作して鼻を洗っております。うちの塩の在庫を物色していた家人が頂きもののジップロック付き美ら海写真包装の沖縄の塩を勝手に選択。絶対お料理用でしたよ!お肉にさっと振るとか天ぷらにつけるとか塩の味を楽しむ的な。
「いろいろ混ざると怖いからこれ、専用にするから」
まさかの洗鼻専用に。
母は長年の頻脈が原因の脳梗塞でしたが、発見が早く、私の名前が時々姉や母の妹と混ざる程度で「私元気なのよ〜」と1週間で退院してきました。退院の迎えに行った時は大きく手を振りながら「ここよ〜」とやってくるものですから、空港に海外旅行帰りの母を迎えに来たかのような錯覚を起こしたほど。
言語の部分が白いものですから、「会話」がリハビリだったようです。その話が嫌だったとか。
「なんで、詳しく他人にプライバシー話さなきゃいけないのよ。家庭の事情をさ。で、話さなかったらやっぱり後遺症とかいうんでしょ、もーいや」
と家帰ってからも愚痴愚痴。主婦が職業であれば、まあ、家庭の事聞くと私は思うのですがね。
「時々計算問題挟んでくるのよ?誰だって、え、ちょっと待ってってなるでしょ?私計算もともと嫌いなのよ?」
絶対、それが本音……。作業療法、難しそうです。自作「氷晶」のヒロインは作業療法士でありましたが、全国の作業療法士さんに再びのエールを。めげないで頂きたく。
父は母が入院して5日後に「右半分痺れてるような」とタクシー呼んでお泊まりグッズを揃えて病院に。やはり軽く脳梗塞を。原因は母が入院してからの暴塩分食。私より近くに住む姉が仕事合間に見に行くと塩分でご飯を食べていたらしく、注意も耳が聞こえないテイで流す頑固な九州男児は病院の減塩食で米の甘さに気付いたとか。こちらは作業療法士さんと楽しくコミュニケーションをしてきたらしく感覚麻痺が残ったとはいえ、入院しているのも申し訳ない元気さで帰還。
姉が同居するかとか姉妹でこれからを相談する中、遠足帰りみたいに楽しく入院話を語り、
「俺は病人だから1ヶ月は大人しくしてるから」
宣言しベッドの上で足をパタパタさせながら知人に電話報告をしまくる父を見ると脱力。
「妻恋しさの気の所為麻痺」と病名をつけるぞと言いたくなりますが、MRIの写真はね、ちゃんと白点ありましたです。
「俺は4階、◯子さんは(この夫婦はお互い名前呼びです)5階だけど、夫婦で同時期に同じ病で入院って話題だったみたいよ。主治医も一緒だし」
と楽しそうに父が言えば、
「あなたはTクリニック通ってたんだからT病院でしょ、なんで同じS病院に入院してくるのよ!もっ、いや、恥ずかしい」
母は父をぼんぼんと叩きながら罵ってましたです。
両親は破れ鍋に綴じ蓋みたいな夫婦でして口喧嘩も多く小さい頃から夫婦喧嘩の調停ばっかり。とはいえ母が更にヒートアップしてまたつまっても大変なので、
「私らが、2カ所に分散すると大変だからってお父さんなりに考慮したんでしょ。大丈夫。病院の人は仕事だし忙しいから気にしてないから」
宥めに入ります。その様子をみながら
「シシシシシッ」
アメリカのアニメキャラみたいな(そんな犬様いましたでしょ、父とイニシャル一緒だわ)笑い声をもらす父は私でも叩きたい……。
ああ、長々と盛大に小説を書いてない言い訳を。でもね、エッセイは書けてるからまだ大丈夫ってちょっと思ってます。
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