第3話 クランホームとクラン奇蹟の薔薇メンバーの素顔

「ユリさん、ここって貴族区画ですよね」


「そうだよ。私たちのクランホームは貴族区画にあるんだよ」


 Sランククランにもなると貴族区域にホームを構えることも出来ちゃうだな。


「アルトくん、着いてから説明するけど君が思っていることは間違っているからね」


 ということは、Sランククランだから貴族区域にホームがあるってことじゃないのか?


 まあ、説明してくれるって言ってたし、気にしないでおこう。


「アルト、貴族区域って凄いね。完全に私たち場違いだよ」


「そうだね。いるだけで緊張してくるよ。僕たちがいて貴族様から苦情きたりしないよね」


「多分、大丈夫だと思うけど……

 奇蹟の薔薇に加入したら毎回ここに来るってことだし、なれなきゃだね」


 ユリの言うとおりだな。順応性は高い方だと思っているけど、なれるのに時間かかるかも……


「着いたわよ。ここが私たちのクランホームに使っているお屋敷よ」


「お帰りなさいませお嬢様。皆さま既にお集まりになっております」


 凄い立派なお屋敷に執事さんやメイドさんが居て、ソフィアさんに向かってお嬢様と言ったということは、ソフィアさんは貴族令嬢ってこと?


 なぜ貴族令嬢が冒険者をやっているんだ?


「皆、アルトくん連れてきたわよ。あとユリちゃんね」


 部屋に入ると、奇蹟の薔薇のメンバーとは、初顔合わせな筈なのに見慣れた人たちが居た。


「なんで、ギルドの受付の皆さんが、ここにいるんですか?」


 奇蹟の薔薇のメンバーに会うために来たのに、ギルドの受付の方たちがいた。


「それはね、ここのギルドの職員全員が奇蹟の薔薇のクランメンバーだからよ」


「マジですか……それってアリなんですか?」


「ギルドの規則には、違反してないし、ギルドのトップであるギルマスもメンバーなんだからアリね。でも一応、冒険者として活動するときには、隠蔽魔法で姿やを変えて活動しているわね」


「じゃあ、ソフィアさんも本当は、その姿ではないということですよね……」


「ユリちゃんは、誰だと思う?」


 普通に考えれば、ギルマスだけど……王都のギルマスは、女性ではあるけど貴族令嬢なんて、話し聞いたことないぞ。


「ギルマスですか……」


「ユリちゃん、正解」


 やっぱり、ソフィアさんの正体は、ギルマスなんだ。


「アルトくん、さっきの質問の答えだけど私たちは、ギルドの受付として働いている姿が、本当の姿だけど、ソフィアさんだけは、冒険者としての姿が本当の姿で、ギルマスやっている時に変身魔法で姿を変えているんだよ」


 それならギルマスが貴族令嬢なんて話しは、でてくるわけないね。


「因みにソフィアは、この屋敷見てわかると思うけど、貴族令嬢です。それも、アーデンハイム公爵令嬢です」


「「!!」」


 公爵家は貴族の最上位じゃないか……なんで、公爵家のご令嬢が冒険者やったり、ギルマスやってたりするんだよ。


「アルトくんとユリちゃんの場合は、冒険者としてだけやってもらってもいいし、ギルド職員としても働いてもらってもいいわよ。

 ユリちゃんの場合は、冒険者ギルド専属の治癒師としてやってもらってもいいわよ」


 そして冒険者をやりながらアルトは、ギルド職員として、ユリは、冒険者ギルド専属の治癒師としても働くことにした。


「じゃあ、これからクランの仲間としてもギルドの同僚としてもよろしくね。

 ユリちゃんもギルド専属の治癒師しても働いてくれるのは、助かるわ」


 こうして初顔合わせは、終わったが驚くことが多く、大変疲れた。精神的に……

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